先日、いつものようにテレビのニュースを見ていたら、「林原が事実上倒産」という報道がありました。「ハヤシバラ??」もしかして、あの「ハヤシバラ」かしらと思ったのですけど、やはりそうでした。世界的に有名なバイオリニスト五嶋みどりさんに、ストラディバリウスを終身貸与しているのが林原なんですね。どういうことをやってる会社なのかは全然知りませんでしたけど、以前、夫や知人に聞くと「知る人ぞ知る、超優良企業」とか言ってました。その会社に何が起こったのかは知りませんけど、五嶋さんには、これまで通りずっと弾き続けていただいきたいものです。(現在貸与されているのはガルネリ・デル・ジェス「エクス・フーベルマン」(1734年作)だそうです)
ここで、私はふと思うのです。バイオリニストじゃなくて、ピアニストで良かった、と。だってそうじゃないですか、バイオリンの高いのは○億円もするんです!! 普及品との差は軽く千倍はありますよね。ところがピアノだと高くても高級車1~2台くらいのお値段。普通のグランドピアノとコンサートホールで使う最高級のグランドピアノを比べても値段の違いは15倍くらいじゃないでしょうか。しかも中古になるとぐっとお安くなるし(そういえばストラディバリウスも、ま、中古といえば中古なんですけど(失礼!))。
つまり、その道にのめり込んで行けば行くほど、誰でも、いい道具を使いたくなる、これは当たり前です。それがバイオリンの場合、最高のモノを求めるなら億単位のお金が要るんですから! それに比べるとほんとにピアノで良かったと思います。極端な事を言うと自分で高いピアノを持つ必要すらないんです。それぞれの会場に備え付けてある立派なピアノを弾かせていただけばいいのですから。
アルゲリッチやダン・タイソンが弾いたのと同じピアノで私もコンサートをやったことがあります。ピアノだとこういうことは普通に起こりえます。ピアノの場合は会場備え付けの同じピアノを使わせてもらうということなので、音の良しあしはピアノのせいにはできません。それはピアニストの腕の差が歴然と出るということです。
一方バイオリンの場合は、それぞれ個人所有のバイオリンを使うので、音の違いの本当の原因は腕の違いなのか、それともバイオリンの違いなのか、ちょっと微妙ですね。私には、バイオリンによる違いというのはかなり大きいように思えます。値段の差は伊達ではないと思えるので、これはこれで、たいへんですよね。努力して腕を磨くだけでも大変なのに、それだけでは十分ではないわけですから・・・。
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