ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

N響演奏会

2011年02月25日 | コンサート
昨晩は、N響のコンサートに行ってきました。前半は、アイヴスの「答えのない質問」と、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番。後半は、ブラームス交響曲第1番。

もう、ブラームスがとても良かったです。私はブラームスのシンフォニーが大好きで、昨日もしびれました。第1楽章の冒頭から緊張感にみちた序奏。打楽器の「ドンドンドン」という音が心臓の鼓動の高鳴りに聴こえてきます。いつもは家にあるカラヤン指揮のCDで聞きなれているので、テンポが違うのにちょっと戸惑いました。大体カラヤン指揮は、テンポ早目が多いと思っていましたが、昨夜の指揮者、ジョナサン・ノットはもっと速かったんです。初めは驚きましたが、すぐに慣れて心地よく曲に入り込むことができました。

特に第二楽章のヴァイオリンとファゴットの抒情たっぷりの主題、コンマスの篠崎さんのヴァイオリンの音が、本当に美しかった。音がなまめかしいほどに濡れている感じで、つややか。うっとりしました。篠崎さん、通称「マロさん」は大分の聴衆の皆さんにはお馴染で、とても人気があるんですよ。

そしてさらに、終楽章が素晴らしくよかったです。この楽章の長調の有名な主題は、ベートーヴェンの第九の歓喜の歌を思わせる主題だと感じています。「パクリでは?」なんて悪口言う人もいるけど、ベートーヴェンへの畏敬の念が強かったブラームスの身体のどこかにその旋律が宿っていて自然にそうなったというべきだと思います。

ブラームスは、弦楽器の作曲の名手でもあるのに、交響曲の作曲は意外に遅く1876年、43歳の時に初めて第1番を完成させています。当時すでに、ウィーンでは知らない人はいないほどの人気とウイーン楽友協会の芸術監督にも就任していました。それでもベートーヴェンの残した偉大な業績の数々が、かえって重圧となって、この曲の完成までには長い年月がかかったそうなんです。最初の構想から20年もたって世にでたんですから!

終楽章が力強く、興奮の渦に巻き込んだまま、アンコールはノリにのって、ハンガリー舞曲第2番をかなりハイスピードで弾きまくるという演奏で締めくくられました。やっぱりオケはいい! こんなコンサート、大好きです。

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