ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

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2011年02月02日 | レッスンメモ
昨日の続きになるかもしれませんが、心の中のものをピアノに注入して演奏するという話。

実は、その演奏には、当然、作曲家の気持ちが無視されていてはいけないと思っています。

それじゃあ、作曲家の気持ちって? クラシックをやっている私としては、作曲家たちは、遠く昔の人だし会ったことはありません。もちろん、時代だけではなく、国も民族も違うわけで、これでは同じ気持ちになるといったところで、なれる保証はありません。作曲家の生い立ちや人生を、自分なりに調べてこんな時代背景で、こんな状況で・・・と想像はしてみます。でも、作曲家たちの本当の心は、時代も人生も違う私にははっきりと決めつけることはできません。

ここまでお断りして、それでもなおかつ、感じるものがあるということを言いたいのです。例えば、シューマンの曲の中の一つのフレーズに、なんとも言えない切なさを、もう一つのフレーズに甘い香りを。もしかしてシューマンは本当にこんな、私と同じような感じ方をしていたのではないか? と思えてくるものがあるのです。そして、それに私が共感して、ああ、切ないと感じているのでは?

どんなに時代が変わってハイテクの世の中になろうとも、人間同士、愛し合ったり憎んだり、子供を育み次世代へつなげたり、喜んだり悲しんだりしながら人の一生は終わるのです。そのことは、いつの時代でも、どこの国の人でも同じなんです。だからこそ、私たちは時間と距離を超えてクラシック音楽に共感できるのではないでしょうか。だから、遠慮しないで、案外大胆に「シューマンだって、ここはきっとこんな気持ちなんだわ!私もおんなじなのよ!」と思い切って弾くことにしています。

その作曲家の音楽に共感するということ。これが、表現に大切なものかもしれません。

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コメント (2)
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