名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

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政府 介護職員に公費で手当て

2009-03-27 19:49:27 | Weblog
2009.3.27
 政府与党は、給与水準が低い介護職員に対し、介護報酬とは別に公費を投入し、手当てを支給して実質的な賃上げを図る方向で検討に入ったと報じられている。
 公費の規模は年額1千億円台で、一人当たりにして月1万5千~2万円程度を2009年度中に実施するという。人手不足が深刻な介護現場への人材定着とともに、他業界からの転職者を獲得して雇用の拡大も図ろうというものらしい。
 介護職員の待遇改善については、介護報酬がこの4月から3%引き上げられることになっている。しかしこの引き上げは、介護福祉士など専門職を充実させることや経験年数を重視して、報酬を加算するというものが多く、大規模な事業所に有利な改定で、大多数の介護職員の賃上げにはつながらないとして強い批判を受けている。こうしたことから民主党など野党4党が10%の引き上げを図る『介護労働者賃金引上げ法案』を今国会に提出し、常勤で月約4万円の引き上げを目指している。
 今回の政府の提案は、こうした野党案に対抗したものであるが、一体どのような形で介護職員の給与を引き上げようというのかまるで見当がつかない。特養などの施設職員を対象と考えているのか、居宅介護まで考えているのか。また常勤か、非常勤かも大いに問題である。またいったん引き上げれば、その財源は毎年必要である。いずれにしろ、この考え方も定額給付金と同様、バラマキの類としか思えない。このようなその場限りの場当たり的な対処では、制度としての形を崩していずれ破綻する。
 保険制度による介護の社会化というこのシステムは、福祉社会における一つの革命的な制度である。この基本は決して間違っていないのだから、それを壊すような修正はすべきでない。同じ税の投入をするのなら、自己負担の1割を例えば半分にすれば、保険制度の枠内で介護職員の給与を引き上げ、しかも利用者負担を増やさずにすむやり方もあるはずである。 
 介護保険制度が、政争の具にされるのはやりきれない。

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