名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

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TPPが消えて厳しい日米二国間交渉が始まる

2017-02-23 15:36:08 | Weblog
2017.2.23(木)
 トランプ米大統領はアメリカファーストを掲げて、米国の経済政策を極端な保護主義へと舵を切ろうとしている。
 米国は1776年の建国から1945年の第二次世界大戦までは保護主義をとってきたが、その後はいわゆる自由貿易を基調としてきた。それは自国の産業保護のために関税の引き上げ競争が国際貿易額を縮小させ、景気を低迷に導いてひいては世界大戦に至ってしまった反省からであった。もちろん1970年代のニクソンショックに伴う保護貿易主義によって、日米貿易摩擦を引き起こした事例もあるから、一概に自由貿易一辺倒とは言えない。
 トランプ大統領の経済政策は、大幅減税、インフラへの投資そして自国の産業を優先する保護主義であるという事が見えてきた。自由貿易を前提とするTPPは相いれないことから、今後の日米貿易はFTAなど日米の二国間交渉となる。そこでは米から日本への輸出品については関税の撤廃を主張し、日本から米へ輸入される特に自動車については高い関税を要求してくるし、トランプ氏はすでに高い関税を主張している。
 食料自給率40%を割っている日本は、要するにこれらを輸入に頼らざるを得ない。TPPでは、根強い農家や酪農業者の反対を押さえて協定締結寸前まで来たのに土壇場で帳消しになってしまった。しかし、農家らはこれで安心とは決して言えない。これからは米国と指しでの交渉が始まる。米国の要求は間違いなくTPPより厳しくなるであろう。また日本から米への輸出品については、自動車をトップに高い関税を主張するに違いない。それがアメリカファーストだからだ。
 安倍首相は先のトランプ氏との日米首脳会談で、ゆるぎない日米同盟を確認できたと喜んでいたが、それは安全保障政策で日本の米への従属を決定的にしたに過ぎない。しかし、産業政策についてはトランプ氏もそうそう妥協できない。コメ農家や牛肉の団体は日本への輸出を求めてトランプ大統領を揺さぶることは目に見えている。

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