名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

自殺を図った息子を殺害した母親に温情判決

2010-04-23 09:08:38 | Weblog
2010.4.23(金)
 昨年7月15日、会社の屋上で首つり自殺を図って意識不明の状態になった40歳の長男。医師から「回復する可能性は限りなく少ない」と告げられ、途方にくれた母親。さらにこの場合の自殺未遂は健康保険の適用外で、人工呼吸器だけで一日10万円以上かかると病院から言われた。
 長男には、二人の子供がおり、将来を案じた長男の妻は「私が呼吸器を外す」と医師に訴えたのを知った母親は「嫁や孫を苦しませてはいけない。産みの親が責任を取る」と犯行を決意し7月25日、病院の集中治療室で、全身に生命維持装置をつけ、けいれんを続ける長男の左胸を四回包丁で刺して殺害した。

 この事件の東京地裁での裁判員裁判で裁判長は22日、求刑5年に対して懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡した。 
 裁判長は「思い悩んだ末とはいえ、人を殺して状況を打開することは許されない」「異常とも言える心理状態で衝動的に犯行に至った経緯は理解でき、同情の余地は多々ある。深い自責の念を持ち、実刑にするのはためらわれる」として、上記判決を言い渡した説明をしたという。
 以上は新聞の報道である。この裁判は裁判員裁判での判決であるが、これも一つの大岡裁きであろう。殺人という厳しい事件ではあるが、すべての状況からして逆にほのぼのとした気分の出来事ではある。実刑判決も十分ありうる事例である。そこを素人の裁判員たちがどのような意見を延べ、どのような議論をしたかは不明だが、結果は極めて妥当な判決に落ちついた。
 ひとくちに殺人事件といっても一つとして同じものはない。まさに千差満別である。



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