■ 推薦CD & ドイツで私の作品の演奏会が、続きました-2 ■
2011.5.3 中村洋子
★5月の連休に入りました。
新緑が、みずみずしく、かぐわしいですね。
「 Musik aus 4 Jahrhunderten und Ländern 」 「4つの国と、4世紀にまたがる音楽」という名前の、 コンサートが、開催されました。 ウルズラ・トレーデ=ベッチャー先生(オルガン)の演奏会です。 Wolfgang Boettcher (Cello), Ursula Trede-Boettcher (Orgel) Johanniskirche Lindenhof Mannheim 3. April 2011 17:00
★4月3日 ドイツ・マンハイム、リンデンホフのヨハネ教会で、
★ヴォルフガング・ベッチャー先生(チェロ)と、
Werke von Bach, Nakamura, Telemann , Vivaldi u.a.
★演奏されましたのは、
・Antonio Vivaldi (1678 ~ 1741)
Sonata B-Dur für Violoncello & Orgel
・J.S.Bach (1685 ~ 1750)
Fantasia G-Dur BWV 572
・Yoko Nakamura
Suite Nr.1 für Violoncello
・Eugene Gigout (1844 ~ 1925)
Toccata H-Moll
・Ernst Lothar von Knorr (1896 ~ 1973)
Adagio
・Joseph Ahrens ( 1904~1997)
Aus dem Choralwerk "Das heilige Jahr"
・Georg Philipp Telemann (1681~1767)
Sonata D-Dur für Violoncello & Orgel
★Vivaldi ヴィヴァルディは、17~18世紀のイタリア、
Bachと Telemann バッハとテレマンは、17~18世紀のドイツ、
Gigout ギグーは、19~20世紀 フランス、
Ernst Lothar von Knorr 19~20世紀
クノールは、ドイツ・マンハイム音楽院元学長の作曲家、
Joseph Ahrens 20世紀 ヨゼフ・アーレンス。
Yoko Nakamura 中村洋子が、20~21世紀。
★Gigout ギグーは、日本ではあまり有名ではありませんが、
Saint-Saëns サンサーンス(1835~1921) の弟子の、
作曲家・オルガニストで、Albert Roussel
アルベール・ルーセルや、Andre Messager
アンドレ・メサジェの先生です。
★Joseph Ahrens ヨゼフ・アーレンスは、
戦前、ベルリンフィルのオルガニスト、
戦後は、ベルリン芸大で長く教えた作曲家・オルガニスト。
「 グレゴリア聖歌 」 のような典礼音楽と、
現代の 「 12音技法 」 とを、ミックスした作曲技法や、
オルガンの即興演奏で、有名でした。
★私の作品は、「 無伴奏チェロ組曲 1番 」 でした。
★ “ ベッチャー先生の演奏を聴きたい ″ 、と思われる方も
いらっしゃると、思います。
そこで、推薦のCDです。
★「 Kammermusik Mitglieder der Berliner Philharmoniker 」 [PROC-1112/5]
「 ベルリンフィルのメンバーによる 室内楽 」
という原題の 「 ドイツグラモフォン 」 CDです。
(日本版CDは、相変わらず、日本特有の商業主義による、
そのCDの内容とは乖離した、赤面するようなタイトルですが、
「超絶技巧の饗宴」~ベルリンフィルの名手たち~ )
★ベルリンフィル黄金期の1980~81年録音の、4枚組みCDです。
12人のチェリストや、Brandis-Quartett ブランディス弦楽四重奏、
Westphal-Quartette ヴェストファル弦楽四重奏が、
合体しての弦楽八重奏団、
管では、ザイフェルト(ホルン)、ライスター(クラリネット)、
コッホ(オーボエ)など、歴史的なマエストロたちです。
★日本版タイトルですと、日本で人気を博している、
サーカスの曲芸ような、技巧を誇示するだけの演奏と、
受け取られてしまいます。
しかし、本物の演奏は、“技巧”を感じるものでは、
決して、ありません。
作曲家が望んだ世界を、表現できる能力をもつかどうかに、
尽きるのです。
★聴きどころは、Klengel (1859~1933) クレンゲル作曲
「 Hymnus ( 12チェロのため ) 讃歌 」 Op.57。
Mozart モーツァルト 「13管楽器のためのセレナーデ 」 K.361、
とりわけ、オーボエ Lothar Koch ローター・コッホの名演です。
★さらに、ベッチャー先生も参加されている、
Mendelssohn メンデルスゾーンの、「 Oktett 八重奏曲」Op.20」、
これは、二つの弦楽四重奏団が合体して、演奏しています。
Haydn ハイドンの 「 Divertimento ディヴェルティメント 」
通称 《 Geburtstag 誕生日 》 で、フルートを演奏する
Karlheinz Zoeller カールハインツ・ツェラーも、絶品。
★ベッチャー先生がメンバーである、
Brandis-Quartett ブランディス弦楽四重奏団の、
ハイドン 「 弦楽四重奏曲 Op.20-4 」 は、
このような名演奏によらなければ、本当の理解は無理でしょう。
★極めつけの名演は、
Mendelssohn メンデルスゾーンの、「Oktett 八重奏曲」Op.20、
「音楽の喜び」、「湧き立つような音楽の喜び」に、
満ちた曲です。
★コマーシャリズムに塗り込められている、
日本の“クラシック音楽”の世界には、辟易です。
数少ない本物の演奏、CDを探し当てては、
日常の糧としています。
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