音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■第13回Chopin が見た「平均律・アナリーゼ講座」、13番と「テレーゼ」との関係

2013-07-09 14:02:43 | ■私のアナリーゼ講座■

■ Chopin が見た「平均律クラヴィーア曲集・アナリーゼ講座」
    第 13回 第 1巻 第 13番 Fis-Dur  prelude & fugue
~13番と、Beethovenピアノソナタ 「 テレーゼ 」 との密接な関係~

                       2013.7.9  中村洋子

 

 

★「 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 13番 

Fis-Dur 嬰へ長調 」 は、全 24曲の後半 最初の曲です。

「 Fis-Dur 」 は、調号に ♯ シャープを 6個もつ、大変に、

珍しい調号です。

「 シ 」 以外の音階音すべてに、♯ が付きます。

飛び立とうとする小鳥の羽音にも似た、軽やかな前奏曲は、

「 1番 前奏曲 」 に戻ったかのような印象です。

演奏上の難しさとは裏腹に、その軽やかさに驚かれることでしょう。

 

★この 13番が、全体を束ねる 「 1番前奏曲 」 の分散和音と、

どう呼応し、どのように異なっているのか、

それを、詳しくお話いたします。

 

★前奏曲と同じような、朗らかさをもつ 「 13番 Fuga 」 も、

実は、3番 & 12番 フーガと同様、二つの対主題

( counter subject )をもっています。

 

★Chopin の所持していた楽譜には、この13番に、

ほとんど書き込みはありません。

Fingering も、Fuga にたった 1つだけ、記入されています。

実は、これこそが、

Chopin が Bach をどう読み解いたか、

それを解く 「 カギ 」 となります。

 

 

★Bach の自筆譜は、1page 6段で、

見開き左pageは、Fuga 12番 f-Moll 28小節後半から始まり、

右ページ 4段目で 12番 Fuga は、終わります。

次の5段目から、13番 prelude が始まりますが、

6小節目で、突然プツンと途切れ、2小節分の余白を残し、

7小節目は、次のpageから始めています。

この不可解な記譜も、実は、

Chopin のFingering と深いところでつながっています。

講座では、これらの点を、分かりやすく解説いたします。

 

★この珍しい Fis-Dur で作曲されているのが、

Beethoven ベートーヴェン(1770~1827)の

ピアノソナタ 24番 「 テレーゼ 」 Op.78 (1809) です。

その作曲技法は、まさに、 「 Bach 」 そのものです。

Beethoven が、Bach から何を学んだか、

ご説明いたします。

 

 

■ 講師   :  作曲家 中村 洋子

■ 2013年  8月 26日(月) 午前 10時 ~ 12時 30分

■ 会 場 : カワイミュージックスクールみなとみらい        
    横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F
      ( みなとみらい駅『出口1番』出て目の前の高層ビル3F )

■予約 : Tel.045-261-7323 横浜事務所
      Tel.045-227-1051 みなとみらい直通

 

■ 中村 洋子

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。

日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

2003年~ 05年:アリオン音楽財団 ≪ 東京の夏音楽祭 ≫

新作を発表。

07年:自作品 「 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠

         W.ベッチャー氏演奏した CD 『 w.ベッチャー日本を弾 

     く 』 を発表。

08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』

         CD ソプラノとギターの 『 星の林に月の船 』 を発表。

08~09年: 「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座」

               全 15回を開催。

09年 10月: 「 無伴奏チェロ組曲第 2番 」 が、W.ベッチャー氏に

         よりドイツ・マンハイムで 初演される。

10~12年: BACH平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリ 

        ーゼ講座(24回) を、カワイ表参道で開催。       

09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello  無伴奏チェロ組曲

     第 1番 」 が、「 Ries & Erler Berlin 」 ベルリン・

     リース&エアラー社から出版される。

10年:  CD 『 無伴奏チェロ組曲  第 3番、2番 』 W.ベッチャー

     演奏を発表

       「 Regenbogen-Cellotrios レーゲンボーゲン・

     チェロトリオス( 虹のチェロ三重奏曲集 )」 が、ドイツ・

     ドルトムントのハウケハック社    

      Musikverlag Hauke Hack 社から出版される。

11年 4月: 「 10 Duette für 2 Violoncelli 

       チェロ二重奏のための10の曲集 」

        が、「 Ries & Erler Berlin 」 ベルリン・

       リース&エアラー社から出版される。

12年12月: Zehn Phantasien für Celloquartett

        (Band 1,Nr.1-5) チェロ4重奏のための10の

        ファンタジー(第 1巻、1~5番)」が、

         ドイツ・ドルトムント Musikverlag Hauke Hack

        社から出版される。

・ スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、

  自作品が演奏される

 

★上記の 楽譜 と CD は、

「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 

「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で、販売中。

 

 
 
 
※copyright © Yoko Nakamura    
                 All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ■ Kempff ケンプ の平均律第 ... | トップ | ■第 4回「 平均律第 2巻・ア... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

■私のアナリーゼ講座■」カテゴリの最新記事