音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ Karl Leisterカール・ライスターが、私の曲を演奏 ■

2012-09-01 23:23:06 | ■私の作品について■

■ Karl Leister カール・ライスターが、私の曲を演奏 ■
~荒城の月幻想を、Leister,Boettcher,Spiri,Ranieriの 4人で ~
                           2012.9.1   中村洋子

 


★本日は、1923年の関東大震災から 89年目、「 防災の日 」 です。

昨夜は、フィリピン沖で M 7.6の大地震が発生しました。

一昨日未明には、宮城沖でも M 5.6の地震が起き、

心休まらない日々が、続きます。


★そんな中、うれしいニュースがあります。

草津音楽祭に参加されていた Wolfgang Boettcher

ヴォルフガング・ベッチャー先生に、お電話しましたところ、

8月 25日のコンサートで、私の作品

「 Fantasy on a Kojo-no-Tsuki 荒城の月幻想 」 を、

Karl Leister カール・ライスター(Cl.)、

Wolfgang Boettcher(Vlc) 、

Anthony Spiri アントニー・シピリ(Pf)、

Luca Ranieri ルカ・ラニエリ(Vla) の四人で、

演奏していただいたそうです。


★この曲は、2008年の同音楽祭で、

Saschko Gawriloff サシコ・ガヴリロフ(V)、

Ferenc Bognar フェレンツ・ボーグナー(Pf)

Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー(Vlc)により、

初演された曲です。

http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/e/37b3800bb6950ca05fcf04cd1e258258


今回も、聴衆の皆さまが、大変に感動され、

Ranieri はわざわざ、Boettcher先生に、

「 so moved とても感動した 」 と、おっしゃったそうです。

亡き Hildegard Behrens ヒルデガルト・ベーレンス先生も、

会場で、同じように 「 so moved 」 とおっしゃって、

抱擁してくださったことが、

懐かしく、思い出されます。

 

 


★私は、高校時代、 Leister演奏の Brahms ブラームスの

Clarinet Sonata クラリネットソナタ No.1、No.2 の LPを、

繰り返し繰り返し、聴いていました。

私の中では、Leister イコール、Brahms Clarinet Sonata と、

結びつきます。

そのような当代随一の巨匠に、私の作品を演奏していただき、

とても、幸運です。

 

★Leister ライスターや Boettcher ベッチャー 、さらに、

Oboe オーボエの 故 Lothar Koch ローター・コッホ など、

極め付きのマエストロたちが、メンバーとして勢揃いしていた、

当時の Berliner Philharmoniker

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は、

夢のようなオーケストラだった、のですね。

 

★草津に来日前の Wolfgang Boettcher 先生は、

相変わらずお忙しく、ヨーロッパからいただきましたお手紙には、

Liechtenstein リヒテンシュタイン、

ドイツ・Baden-Baden バーデンバーデン、

イタリア・Bolzano ヴォルツァーノ、

スペイン・Oviedo オヴィエドで、

マスタークラスやコンサートを、開催されていたそうです。

 


★来日前のお手紙では、

Baden-Baden で開催された 「 Carl Flesh Akademie 」  で、

gifted 才能に恵まれた二人の子供のチェロ奏者、

ドイツの13歳男子 Johann Heske、

もう一人は、台湾の12歳になる少女 Nana Ou- Yang が、

私の作品  「 10 Duette für 2 Violoncelli

 チェロ二重奏のための 10の曲集 」  を、

public concert で演奏し、大成功だったそうです。

特に、「 The  girl is a real great talent  」 と、

書かれていました。

お弟子さんについて、" real great talent " と、

先生がお書きになるのを、初めて見ました。

きっと、大変な才能の持ち主でしょう。

将来が楽しみですね。

 


★また、お手紙には、

「 草津で、Empress Michiko 美智子さまと、

Mendelssohn メンデルスゾーンの、

Pianotrio ピアノトリオを弾くのを、楽しみにしています 」

とも、書かれていました。

美智子さまは、Boettcher先生の大ファンだそうです。

お電話で先生にうかがいましたら、新聞などで報道されたほかに、

もう一回  「 二回も Mendelssohn を、演奏しました 」 そうです。

美智子さまも、大好きなピアノを、マエストロと一緒に、

心ゆくまで楽しまれ、さぞかし、お喜びだったことでしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=stnEly66Mu0

 
★私の作品を、Leisterのような巨匠に、

演奏していただくのと同じくらい、若く才能がある人に、

演奏してもらうのは、とてもうれしいことです。

「 Fantasy on a Kojo-no-Tsuki 荒城の月幻想  」 は、

私の CD 「 Wolfgang Boettcher plays Japan 」 に、

収録されています。


★上記のデュオは、ベルリンの出版社  「 Ries & Erler 」 から、

出版されています。

http://www.rieserler.de/index.php?manufacturers_id=729

http://www.rieserler.de/product_info.php?products_id=2635
 
http://www.rieserler.de/product_info.php?products_id=2529
 


★9月は、23日横浜みなとみらいでの

「 Chopin が見た平均律アナリーゼ講座 」 6番 d-Moll、

28日は、カワイ表参道  「 イタリア協奏曲第 3回(最終回) 」 の、

アナリーゼ講座を予定しています。

特に、「 イタリア協奏曲アナリーゼ講座 」 では、

Bach が、イタリアの作曲家の 「 協奏曲 」 を、吸収し、

自家薬籠中のものとして、その管弦楽作品を

鍵盤楽器ソロに編曲したかを、お話しています。

 

 


★私の 「 Fantasy on a Kojo-no-Tsuki 荒城の月幻想 」 も、

もともとは、piano と cello の作品でしたが、

2008年版として、piano 、cello 、violin の三重奏に、作曲し直し、

また、2011年 4月 Berlin ベルリンでの、

「 東日本救援コンサート 」 のため、さらに楽器の数を増やしました。


★いま、「 編曲とは何か 」、ということをじっくり考えています。

Myra Hess マイラ・へスや、

Wilhelm Kempff ウィルヘルム・ケンプの、

Bach 作品への素晴らしい編曲と自演を、楽譜を見ながら、

CDで聴くにつけ、

イタリア協奏曲アナリーゼ講座が、終了しましたら、

Bach の編曲作品について、講座で取り上げてみたいと、

思っております。

 

 

 

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