音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■Chopinは、平均律 1 巻 18番を学び尽くして「幻想ポロネーズ」を完成■

2014-04-19 11:54:34 | ■私のアナリーゼ講座■

■Chopinは、平均律 1 巻 18番を学び尽くして「幻想ポロネーズ」を完成■
   ショパンが見た 平均律クラヴィーア曲集 アナリーゼ講座
        
1 平均律 第 1 18番 gis-Moll

                2014.4.19  中村洋子






 

★Bach の 「 平均律クラヴィーア曲集 1巻 18番 」  Preludeは、

わずか 29小節です。

一見、単純な 「 3声 」 に見えるため、侮ったように

「 3声のインヴェンション 」 と、あっさり片付けている解説書が、

流布しているようです。



★しかし、そうではありません。

そのような解説書は、「 インヴェンション 」 も、

理解していないといえます。



★通常ですと、 17番が 変イ長調  As-Dur であるため、

18番は 「 変イ短調  as-Moll 」 となるはずです。

しかし、バッハは、 異名同音調である 「 嬰ト短調 ( gis-Moll ) 」 と、

しました。

なぜ、バッハがそのようにしたのでしょうか?








★それを、徹底的に考え抜き、自分の作品に反映させたのが、

Frederic  Chopin ショパン (1810~1849) なのです。

Chopin が、18番 Prelude に書き込んだごくわずかな Fingering が、

この曲を理解するうえで、極めて重要なカギとなります。



★ ショパンの 「 幻想ポロネーズ POLONAISE-FANTASIE Opus.61 」

(1845~46 )  は、

「 As-Dur 」  の調号をもつ曲ですが、 17小節目で早くも、

異名同音同主短調の「 gis-Moll 」 に、転調します。こ

れは、≪ バッハの手法 ≫ です。

ョパンは、実に 1年半もの長い期間をかけて、

この曲を、作っています。






平均律 1巻の 17、 18番 は、motif を共有し、


お互いに “ 見つめ合って ” います 。

そして、この曲が目指していくのは、

最後の、感動的な 「 24番 h-Moll 」 なのです。 

「 幻想ポロネーズ 」 も、 132小節目から、 

「 h-Moll 」 に、転調しています。

ショパンは、18番から ≪ 調の関係 ≫ だけでなく、

和声についても深く学び、

それをさらに発展させた “ バッハ由来の和声 ” を、

見事に 「 幻想ポロネーズ 」 に、散りばめています。真

のショパンを演奏する “ 近道 ” は、バッハを、学ぶことです。





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■日  時 : 2014年 5月 12日 (月) 午前 10 時 00分 ~12 時 30分

■会  場 : カワイ ミュージックスクール みなとみらい        

      横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F

      ( みなとみらい駅『 出口 1番 』出て、目の前の高層ビル 3F )

会 費 :  要予約   Tel.045-261-7323 横浜事務所


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■ 講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

 東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。

日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

 2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

 07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
        Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
     CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。


 08年:CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
    CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。


 08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。


 09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 3番 」が、
           W.Boettcher 氏により、Mannheim ドイツ・マンハイム で、
           初演される。

 

10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

 

10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

 

     「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

 

11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

 

12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

 

13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

 

         「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

        スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

 ★上記の楽譜とCDは
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/  

「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で
 販売中。



 

★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 4、 5、 6番 」

Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、

全国の主要CDショップや amazon でも、ご注文できます

 

 

 


※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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