音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■平均律クラヴィーア曲集は、book ではなく globe です■

2018-10-21 16:34:27 | ■私のアナリーゼ講座■

■平均律クラヴィーア曲集は、book ではなく globe です■
~「第6回平均律第1巻6番・アナリーゼ講座」のお知らせ~
              2018.10.21   中村洋子

 

 

★私の好きな句
 ≪新米はまだ艸(くさ)の実の匂い哉≫   蕪村

深山からの清冽な清水で育った新米を、いただいております。

農薬はもちろんのこと、肥料も有機のみ化学肥料ゼロの、純血米です。


★炊飯器から蒸気が立ち始めますと、部屋が、香ばしく黄あるいは

青みがかった穀物の香りで満たされます。 
                                                     

完熟した穀物の香りです。

育った田がまるごと、お釜で茹でられているみたい。

陶酔。


今日は「十三夜」、そして明後日はもう「霜降(そうこう)」。

実りの秋 闌(たけなは)に冬が忍び寄っています。


★昨年上映されました映画「人生フルーツ」が、

リバイバル上映されましたので、二度目の鑑賞。

この映画は不朽の名作です。

これからも上映され続けると、思います。

皆さまも機会がございましたら、是非ご覧ください。

 

 


★この映画については、たくさん書きたいことがございますので、

これから、少しずつブログで書いていきたいと、思っています。

津端修一さん90歳、奥さまの英子さん87歳、

お二人の日常を描いたドキュメンタリーです。


★この映画の撮影途中で、修一さんが亡くなられます。

そして、心に染み入るナレーションを担当されました

樹木希林さんも先ごろ、旅立たれました。

実りある人生の後、なんと爽やかで、かぐわしい香りと感動を

残されたことでしょう。

http://life-is-fruity.com/trailer/

 

≪稲かれば 小草(をぐさ)に秋の日の当たる≫ 蕪村

 

 


生きていく糧を与え続けてくれるBachの

平均律クラヴィーア曲集。

その第6回 第6番 d-Moll プレリュード&フーガ アナリーゼ講座

を、11月17日(土)開催いたします。
https://www.academia-music.com/news/74


★私の書きました解説 
https://www.academia-music.com/products/detail/159893

では、1番 C-Dur から、この6番 d-Moll までを、平均律第1巻の核

となる曲としております。

その論を更に進めますと、平均律クラヴィーア曲集は、

「 book ではなく globe 」という結論に、達します。


平面的に積み重ねられていくのではなく、

スケルトン(透明)の地球儀のように、

例えば、5番 D-Dur から、10番 e-Moll へと、

一気にビームが飛び出すように、

あるいは、4番 cis-Moll が、24番 h-Moll へと、

真っ直ぐに向かって行く、というように、

複雑な多面体を形成していくからです。


★今回で、ことし1月から始まりました

「平均律第1巻アナリーゼ講座」の第1期が、終わります。

1番から6番までの"豊饒の秋"を、刈り取ることができるよう、

勉強を続けます。
https://www.academia-music.com/images/pc/images/6_Analyse.pdf

 

 


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■第6回「平均律クラヴィーア曲集 第1巻第6番
         d-Moll Mollプレリュード&フーガ」 アナリーゼ講座

● 平均律 1巻は、「全音階」」「半音階」は、「長・短 3度」で形成される
巨大な球体

●6番プレリュード&フーガは、6曲1セットの統括であり、第2セットの船出

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■日時:2018年11月17日(土)  14:00~18:00  ※途中休憩あり
■会場:エッサム本社ビル 4階 こだまホール
 住所 :東京都千代田区神田須田町1-26-3 ℡:03-3254-8787
  (JR神田駅 北口 徒歩3分 ※エッサム1、2号館ではありません)
■≪申し込み 申し込み ・お問い合わせは≫
  アカデミアミュージック企画部 ℡03-3813-6767
  E-mail:kikaku@academia-music.com
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 ■なぜ、平均律クラヴィーア曲集がクラシック音楽の根源なのか

★「平均律1巻全24曲」は、巨大な一つの変奏曲集と解釈することができます。
 Bachはここで、24の調性すべての Prelude & Fugaを作曲しました。
 これを完成させた後、同じ変奏曲集をたった一つの調で試みようと、舵を
 切ったのは当然の帰結でしょう。それが、G-Dur(同主短調のg-Mollを
 三つ含む)の30曲の変奏曲から成る「Goldberg-Variationen
 ゴルトベルク変奏曲」です。

★平均律1巻の中核をなす「1~6番の大きな変奏曲」を、どのように解釈し、
 その理解を演奏と鑑賞にいかに結び付けていくか、そのカギは、
 この6番 Prelude & Fugaを読み解くことにあります。
 ≪ベーレンライター版「平均律第1巻」楽譜の添付解説(中村洋子)≫の
 P4~P6『5番、6番で「調性とは何か」という問いを投げ掛けている』を、
 併せてお読み下さい。


■「平均律クラヴィーア曲集第1巻 第6番 d-Moll 」プレリュード
 平均律1巻1~6番セットの総仕上げとなるプレリュードです。
 ここで5番プレリュードとの関連性を精査することにより、平均律1巻
 の大構想が浮かび上がってきます。右手上声で絶え間なく動く
 「三連符」によって描かれる緊迫した対位法。
 24、25小節目から流れ出た滝の水が、ほとばしる奔流となって
 下っていく、見事な「半音階」。この「半音階」も、平均律1巻を揺るぎなき
 ものにする横の支柱といえます。  

■「平均律クラヴィーア曲集第1巻 第6番 d-Moll 」フーガ
 1小節目冒頭の主題( Subject )は「レ、ミ、ファ」の短三度で始まります。
 Bachの「序文」に則る鮮やかなフーガの開始です。この「レ、ミ、ファ」は、
 7番 Es-Dur の幕開けとも重なる重要なモティーフです。
 この冒頭主題( Subject)と次に続く応答( Answer)により、完全な
 「全音階」が見事に形成されていきます。平均律1巻は、「全音階」、
 「半音階 」、「長三度」、「短三度」によって形成される、広大無辺な
 球体なのです。

 

 


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講師: 作曲家  中村 洋子
                           東京芸術大学作曲科卒。

・2008~15年、「インヴェンション・アナリーゼ講座」全15回を、東京で開催。
 「平均律クラヴィーア曲集1、2巻アナリーゼ講座」全48回を、東京で開催。
  自作品「Suite Nr.1~6 für Violoncello無伴奏チェロ組曲第1~6番」、
  10 Duette fur 2Violoncelli チェロ二重奏のための10の曲集」の楽譜を、
                ベルリン、リース&エアラー社 (Ries & Erler Berlin) より出版。

  「Regenbogen-Cellotrios 虹のチェロ三重奏曲集」、
  「Zehn Phantasien fϋr Celloquartett(Band1,Nr.1-5)
     チェロ四重奏のための10のファンタジー(第1巻、1~5番)」をドイツ・
     ドルトムントのハウケハック社  Musikverlag Hauke Hack  Dortmund
       から出版。

・2014年、自作品「Suite Nr. 1~6 für Violoncello
       無伴奏チェロ組曲第1~6番」のSACDを、Wolfgang Boettcher
       ヴォルフガング・ベッチャー演奏で発表
              (disk UNION : GDRL 1001/1002)
                      「レコード芸術特選盤」

・2016年、ブログ「音楽の大福帳」を書籍化した
  ≪クラシックの真実は大作曲家の自筆譜 にあり!≫
    ~バッハ、ショパンの自筆譜をアナリーゼすれば、曲の構造、
          演奏法までも 分かる~ (DU BOOKS社)を出版。

・2016年、ベーレンライター出版社(Bärenreiter-Verlag)が刊行した
 バッハ「ゴルトベルク変奏曲」Urtext原典版の「序文」の日本語訳と
 「訳者による注釈」を担当。

    CD『 Mars 夏日星』(ギター二重奏&ギター独奏)を発表。
     (アカデミアミュージック、銀座・山野楽器2Fで販売中)

・2017年「チェロ四重奏のための10のファンタジー(第2巻、6~10番)」を、
  ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
                                  Musikverlag Hauke Hack
Dortmund から出版。

・2017年、ベーレンライター出版(Bärenreiter-Verlag)刊行のバッハ
   平均律クラヴィーア曲集第1巻」Urtext原典版の
     ≪「前書き」日本語訳≫
     ≪「前書き」に対する訳者(中村洋子)注釈≫
     ≪バッハ自身が書いた「序文」の日本語訳≫
     ≪バッハ「序文」について訳者(中村洋子)による、
                     詳細な解釈と解説≫を担当。

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
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