■第12回 「 インヴェンション&シンフォニア 各 12番 イ長調 」 ■
~インヴェンションを、心に刻み込む暗譜の方法~
2011.11.23 中村洋子
★深い憂愁に閉じ込められたような 「 11番 ト短調 g-Moll 」 に続く
「 12番 Invention A-Dur 」 は、インヴェンションもシンフォニアも、
真夏の太陽のように明るく、力の漲った曲です。
シンフォニア 12番の 、9小節目から 12小節目や、
20小節目から 23小節目のバスは、あたかも、
次の時代の様式を先取りしたような、音型です。
「 Leichte Fugen mit kleinen Stucken 簡単なフーガと小品 」 にも、見られます。 これを、インヴェンションと併用しますと、 Bachを、より深く理解することができます。 比較することで、Bach の素晴らしさが、 客観的に、一層良く分かるのです。
★類似した音型の曲は、Telemann テーレマン (1681~1767) の
★この 12番を基に、もう一度、「 暗譜の方法 」 を、
おさらいいたします。
漫然と、反復練習して ≪ 曖昧に指先で覚える ≫ のではなく、
≪ 心と頭に、インヴェンションをゆるぎなく定着させる暗譜 ≫ が、
必要です。
そのような ≪ 暗譜 ≫ ができますと、「 本物 」 の音楽と、
そうではない音楽とを、判断する能力が、自然に身に付きます。
★ Bach の最高の演奏家であった Albert Schweitzer
アルベルト・シュヴァイツァーは、著書で、次のように書いています。
≪ 平均的な音楽家が、もし、本物の芸術と偽物を、
厳しく見分ける能力をもっているとすると、それは、
まさに Bach のインヴェンションのお陰である、といえる。
インヴェンションを、練習したことのある子供は、
ピアノ習得のための、機械的な練習だったとしても、
多声部の作曲法を、既に見につけたといえる。
★それは生涯、消えない。
それを習得した子供は、どんな音楽に接しても、
本能的に、その音楽の中で、インヴェンションと同じように、
多声部が、巧みに見事に、織り込まれているかどうか、
探究するようになる。
多声部が紡がれていない部分は、貧困な音楽であると、
感じるのである ≫
★インヴェンションを、生涯にわたって忘れないためにも、
「 本当の暗譜 」 が必要なのです。
------------------------------------------------------
■ 講師 : 中村洋子
■ 日 時 :2011年12月23日(金)午後 2時 ~ 午後 4時 30分
■ 会 場 : カワイミュージックスクール みなとみらい
横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F
(みなとみらい駅『 出口 1番 』 出て目の前の高層ビル3F)
会 費 :3,000円 ( 要予約 ) Tel.045-261-7323 横浜事務所
Tel.045-227-1051 みなとみらい直通
※copyright © Yoko Nakamura
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲