音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■フォーレのドリーや、ラヴェルのマメールロワの共通点■

2009-03-27 23:57:51 | ■私のアナリーゼ講座■
■フォーレのドリーや、ラヴェルのマ メール ロワの共通点■
                 09.3.27 中村洋子


★ベッチャー先生からのお便りの続きです。

お母さまの誕生日で、孫のアントンさんと一緒に、

私の作品「10 Cello Duos for Young Cellist」を、

お弾きになりましたが、

ベッチャー先生は、

ある画家の、プライベートコンサートでも、

私のチェロ組曲と、併せて、

「10 Cello Duos for Young Cellist」を

Blanca Coines さんという、お弟子さんと、

お弾きになったそうです。



★10曲からなるチェロ二重奏の、この曲集は、

ベッチャー先生と、お弟子さんが、

気楽に、楽しんでいただけるように、

平易な奏法で、具体的なイメージがわく、

表題が付いています。

例えば、「 A Cello Performance by Two Crickets 」

「 Peacock's Sarabande 」

「 A small Church in the snow 」などです。

これを、コンサートに取り上げていただき、

少し驚き、また、とても、喜んでいます。


★このように、肩の力を抜いて、

作曲家が、楽しんで書いた曲というのは、

弾いても、聴いても楽しいのかもしれません。

前に書きました、ミヨーの「スカラムーシュ」も、

そうですし、子どもを対象に書かれたものが、

コンサートの、重要なレパートリーになった曲として、

ラヴェルの「マ メール ロワ」、

フォーレの「ドリー」が、あります。


★また、いまでは信じられないことですが、

ブラームスの不朽の名作「チェロソナタ1番」も、

当初、ブラームスは、

“チェロのための演奏の容易な作品”

として、構想されました。


★4月18日、ベッチャー先生が、

ベルリン・グリューネバルト教会でなさる演奏会は、

ハインリヒ・ヤコビ Heinrich Jacoby (1889–1964)の、

生誕120年を、記念したコンサートです。

ハインリヒ・ヤコビは、有名な作曲家

ハンス・プフィッツナーの弟子で、

シュトラスブール歌劇場の音楽監督で、

教育家でした。


★このコンサートでは、ベッチャー先生が、

音楽についての、ご自身の経験を、

お話になるそうです。

そして、バッハと私の「無伴奏組曲」を演奏されます。

内容の濃い、演奏会です。


(写真は、花韮と山吹の種)

▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする