今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

歓びを歌にのせて 7

2005-12-30 22:16:58 | 逆転サヨナラHR
デトックスだわ、これ。

基本的に音楽映画は好きだ。ちょっと昔だと「ブラス!」「天使にラブソングを」最近だと「スイングガールズ」とか「スクールオブロック」。音楽によって人の心が開かれ、成長していく姿はワンパターンだけどとても気持ちよくて、最後にあるライブのシーンではちょっと鳥肌が立ったりすることもあった。これもその類の映画なんだけど、特に良かったのは演奏でなくて「歌」だったところ、そしてその合唱に参加しているのが、それぞれに事情を抱えた疲れ気味の大人たちだったところだ。

最近読んでいる「脳」についての本に書いてあったんだけど、人間を何も刺激のない独房みたいなところに閉じ込めると、脳が刺激を欲しがって人間本体に幻聴や幻覚を見せたり、勝手に歌を歌わせたりするらしい。
確かに歌うのには道具も金も場所もいらない。まあ能力の差はあって、写真の男みたいな人もいるけど、本人が楽しむ分にはそれでもかまわないわけだ。

この映画ではそんな本能的娯楽である歌を思い切り歌うことで、疲れた大人たちがいろんな汚れた部分をどんどん吐き出し、子供のようにいい表情になっていく。それを邪魔しようとするのは権力とか暴力とか威厳といった、オトナだけが必要とするものを抜ききれない人たちだ。別に明日からコーラスに入ろうとは思わんかったけど、歌の素晴らしさとかパワーを感じることができた。
そして映画館を出た時、1年の最後に心の大掃除ができた気がしてとても気持ちよかった。


…というわけで、2005年分「今日のエンドロール」はこれでおしまいだ。
今年は「カンフーハッスル」からこの作品まで145本の映画を観た。息子が生まれ、生活だけでなくモノの見方なんかもだいぶ変化した1年だった気がする。そんな中での2005年ベスト&ワースト3を発表しておきたい。

2005ベスト3
1位:ALWAYS 三丁目の夕日 2位:シンデレラマン 3位:運命じゃない人
2005ワースト3
1位:北の零年 2位:ハイドアンドシーク 3位:妖怪大戦争

ベストを選ぶのは楽しかったが、ワーストを探してたら腹立ったことを思い出して気分悪くなった。東映さん、角川さん、来年は頼みまっせ。

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1 コメント

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Unknown (kamakura16)
2006-01-09 04:47:14
ベストに、3丁目の夕日ですか。絶対見に行こう。

それにしても、145本の映画、すごいですね。コメントも楽しく、いつも拝読させていただいてました。今年も楽しみにしています。
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