訃報が多い。
いろんな人が亡くなっていく。
この間、マイケル・ジャクソンとファラ・フォーセットが亡くなったと思っていたら、今度は女子マラソンの佐々木七重さんが53歳の若さで亡くなった。いまは結婚して苗字が変わり、永田七重さんというのだそうだが、僕らは佐々木七重さん、と呼ばなければピンと来ない。
佐々木七重さんは、中村清監督の指導を仰いで、1984年(昭和59年)のロス五輪のマラソンに出場した。このロスの大会は、女子マラソンが初めて五輪種目になった記念すべき大会である。その点からも、彼女は女子マラソンランナーの草分け的な存在であると言える。
このロス大会には、七重さんとともに日本代表として増田明美さんも出場したが、彼女は前半からいきなり集団を抜け出して先頭に飛び出し、「あれぇ…? そんな早いこと飛び出して、ええんかいな?」と思っているうちに、ズルズルと後退し、結局途中で棄権した。増田さんは目立ちたがりで、ムラの多い選手だった。それとは対照的に、佐々木さんは、堅実なランナーであった。
しかし、佐々木七重さんと言えば、苦い思い出がつきまとう。
僕は、当時、男子マラソンで世界一の実力と言われていた瀬古利彦選手を、熱狂的に応援していた。ロス五輪の男子マラソンは、その瀬古が金メダルを獲るものと、ゼッタイに信じて疑わなかった。しかし、本番のレースでは、彼は35キロ地点で集団から後退し、あっけなく圏外に去った。仕事を遅参までして、午前中の実況生中継をテレビで見ていた僕は、ものすごいショックを受けた。なんで…? 負けるはずがなかった瀬古が、こんな無残な結果に終わったことが、現実のものとは思えず、しばらく落ち込んだ。
瀬古が勝てなかった原因は、直前にコンディションを崩したことにあった。
なぜそんなことになったのか…?
そのあと、さまざまな情報によって、瀬古の敗因がはっきりしてきた。
瀬古の師である中村監督が、佐々木七重さんの指導に熱を入れていたので、彼女といっしょに、一足先に、瀬古を日本に残してロスへ出発したのである。男子マラソンは五輪最終日だったが、女子マラソンはそれより1週間前に行われるから、という理由であった。
瀬古は、五輪が始まっても、体調を崩さぬよう、まだ日本にいた。だが、中村監督不在のまま、瀬古は渡米直前に、酷暑の中を40キロ走をしたという。それが、彼の体調を大きく狂わせた。
瀬古自身が後に述懐したところによると、日本を発つとき、すでに体調は最悪で、前夜は親兄弟と共に、悔しさで泣き明かしたと言う。
中村監督がいれば、本番が近づいている時に、決してそんな無茶な練習はさせなかったに違いない。しかし、練習をしなければ不安だったのだろうか、瀬古は、自分の判断で40キロを練習で走った。結局、それが疲労を生み、致命傷になったのである。
中村監督は瀬古のそばにいてやるべきだった。
瀬古はそれまで、すべて中村監督の指示通りに練習メニューをこなしていた。
佐々木七重さんは、いくら頑張ってもメダルに届く力はなかった。
瀬古こそ、大いなる金メダル候補だったのに、どうして中村監督は、瀬古を日本に残したまま、佐々木七重さんについてロスへ行ったのか…?
僕は、今でもそのことを悔やむ(僕が悔やんでも仕方ないけれど…)。
佐々木七重さん…といえば、そのことばかりが思い浮かぶのである。
亡くなった七重さんには、何の落ち度も責任もない話だけれど、中村監督があのとき、彼女について行かず、瀬古といっしょに行動していれば、瀬古がロスの男子マラソンで金メダルを獲得していた可能性は極めて高い…と、今でも固く信じている僕なのである。スポーツに仮定の話はタブーなのはわかっているけれど、それでも、言いたいのだ。
それにしても、昨今のTVはマイケル・ジャクソンのことばかりである。
(話、バラバラやがな)
劇薬を飲んだのでは…とか、生前に書かれていた遺書の内容は愛憎に満ちていた…とか、彼は黒人コンプレックスの塊であったとか…。どのチャンネルも、マイケル・ジャクソンのニュースで溢れている。今さらながら、彼の存在がいかに大きいものだったかを痛感させられる。
あれほどの偉大なシンガーなのに、人並み以上のコンプレックスとは…。
そんなに自分が黒人であることが嫌だったのか…?
人の心の中というものは、本当にわからない。
若い頃、つまり整形手術をする前のマイケルの顔は、可愛い。
どうして、無理をしてまで、あんな顔に作り変えたのか…。
そのままでよかったじゃないかと、テレビの前で独り言をつぶやいてしまう。
黒人演歌歌手のジェロ君もいい男である。
デンゼル・ワシントンだって素晴らしい。
モーガン・フリーマンも、いくら年をとっても魅力的である。
マイケルもそのままで十分だったのでは…?
なんであんな夜店で売っているお面のような顔にしてしまったのだろうか…?
と、そんなことを、ぼや~っと考えながら、眠れない夜を過ごしている。
53歳とはお若いです。佐々木七重さんは存じませんでしたが、増田さんの途中棄権した場面は覚えているので、拝見した事はあるはずですね。
マラソン選手となると、のんさんも色々感慨深いでしょうね。
マイケルジャクソンの死亡40時間前のリハーサル映像をニュースで見ましたけど、なんで亡くなったのか謎です。。ほんとスリラーの頃の顔で十分かっこよかったのに、、本人は父親が大嫌いで似る事を避ける為に肌の色を抜いたり(こわ~い、どうやって?)整形を繰り返したとか?黒人さんは目がくるっとしていて可愛いですのにね。。。私は典型的な昔の日本人顔ですからなぁ瓜実顔??一重まぶた。。
今夜は早く寝てくださいよ~
チャーリーズエンジェル素敵でした~~。
佐々木七重さんは、一度だけ、沿道で遠くから応援したことがあるんです。
私と同じくらいの年齢で亡くなるなんて・・・。
瀬古さんのオリンピックの時の残念な結果には、そんな事があったのですね。
マラソン選手の体調管理は難しいといいますものね~~。
Qちゃんの疾走も記憶に新しいですよね。
兄の死について述べていましたが、ごく普通に悲しみを表し、心の中に兄は永遠に生きていると言ってました。このあたりは巨額の富は関係ないのでしょう。
瀬古のこと余り知りませんでした。
もう、大分前のことなので、すっかり忘れてしまったのかも知れません。
走りに関しては、何となく、増田明美さんが軽く見えてしまいますね。
それにしても53歳で逝くとは身内は悲しいでしょうね。
yukariさんへ
増田明美は大阪女子マラソンでも、15キロ地点の勝山通りで倒れて棄権しています。
後日僕はその場所を歩いたのですが、そこにスナックの看板が見えました。「珍古」という店でした。増田はそれを見て、卒倒したのではないか、というのが僕の推測です。
のこたんさんへ
野球や大相撲の人たちは、何度でも活躍の場があるのに、マラソン選手は1度走ると半年はレースに出られないし、しかも、注目を浴びるのは4年の1度のオリンピックだけ。
ちょっとかわいそうな気がします。
だから、よけいに応援したくなりますよね。
アナザービートルさんへ
巨万の富があると、うかつに死ぬこともできないということでしょうね。借金も多かったということですが、もちろん財産の方が多いでしょうし。
あの遺書を見ると、いかに近親を憎んでいたか、ということになりますが、不幸な話ですね。
「子孫に美田を残さず」という言葉がありますが、死ぬときは手ぶらで死ぬのが一番ですな~。
それでは、これから登山です。
行ってきま~す。
瀬古とはそういうことはあったんですね。
僕も瀬古が負けた場面をよく覚えています。
当時、テレビの特番でまだまだ初期のコンピュータで
瀬古の本番のシュミレーションをし、勝つという予想をはじき出したと記憶しています。僕も子どもながらにこの楽太郎みたいな人が金メダルをとるんだろうなと思っていました。しかしあんな結果。
調整のミス、あれほどの選手でもそういう素人からすれば???の調整をするんですね。きっと素人には分からない事情があるんでしょうが。
今から考えると、タブーと承知であの時、絶対金メダルとってほしかったし、とっておくべきだったと思います。今の男子マラソンを見ていて、日本選手が勝ってほしいという期待すら持てない状況であることを考えとなおさら残念。
スポーツについては、日本人は黒人に対してコンプレックスというか、やっかみはあるでしょうね。正直あの体はずるい!でも外国人選手が帰化して日本人として活躍することも素直に喜べない。どないやねん。
とにかく金メダルを期待して、オリンピックの陸上競技を見てみたいです。
お忙しい時間でのお返事ありがとうございました。
最近は、訃報が多すぎますね!
マラソン世界の佐々木七恵さんは、若すぎますね。
あまりマラソン界の事は詳しくありませんが、瀬古さん、増田明美さん、Qちゃん皆さんショックを受けられてると思います。
私は、Qちゃんの生まれ故郷に住んでます。
有名人の方でも、訃報が多いですね。
阿久悠さん、三木たかしさん、マイケル、ジャクソンなど、名前を知らない人はいないでしょうと思う位ですね!
アメリカ人と聞かれると、マイケル、ジャクソンと答えられますね。
最近のアメリカ人と言えば、黒人演歌歌手のジェロ君ですね。
男の方に、ジェロ君はいい男と言われると、ファンの私としては嬉しいです!
それにしても、いい人程早く逝ってしまうものですね。
ショックが、続いています。
私の親戚の方も亡くなり、昨日葬儀に出席しました。
どうしたら、ショックから立ち直れるのか…
しばらく時間が、かかりそうです。
すみません。
それと、瀬古と楽太郎は、ほんと、顔がよく似ていますよね。
瀬古はその4年前のモスクワ五輪の時に日の出の勢いだったのですが、
そのモスクワを日本がボイコットして不参加になったのがすべてでしたね。
あれに出ていれば…と、また仮定の話ですが、そう思わずにはいられません。
マラソンは、球技などと違って、練習といえば、ほぼ走ることだけですから、
つい、走り過ぎてしまい、調整を失敗したり、故障することが多いですね。
仕事も、やり過ぎるとビョーキになりますから、ほどほどにね(笑)。
今朝は起きたときから足首や腰やお尻の筋肉が痛いです。
行ったのは、奈良県の東吉野村というところでした。
行く先も知らずに連れて行ってもらったわけで…
相変わらずいい加減なことです。えへへ。