僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

外国人ランナーとの “再会”

2014年12月11日 | ランニング

ランニングを趣味にしていたおかげで
いろんな人と知り合えたのは、
自分の人生にとって大きな収穫だったと思っている。
今も、毎日ではないが、近くの大和川の堤防に出て、
チョロチョロ走ったりウオーキングをしたりしているけれど、
懐かしい顔に出会うこともある。先月のことだが、
向こうから前かがみの独特のフォームで走って来る姿を見て
「あっ、あの人や」とすぐにわかった。
金髪で青い目をした外国人男性である。


もう20年以上も前のことになるが、
同じ大和川の堤防コースでよく顔をあわせた。
年齢は僕と同じぐらいと思われた。
ここで外国人が走っているというのは珍しかった
…というより、この人だけだった。
遠目からもすぐにその人とわかる。
大柄だし、夏場は常に上半身裸で走っていたことと、
両手に小さなダンベルを握っていたこと。
そして、前述のように、フォームが極端に前かがみの姿勢で
走っているので、遠くても「あ、あの人だ」とわかるのだ。


すれ違うとき、お互いに軽く会釈して、ニコッと笑う。
外国人…特に西欧人は愛想がいい。
海外旅行で見知らぬ街を歩いているとき、
通りすがりの人がこちらを見て、
目が合うとニコッと笑ってくれることが多い。
そういう文化なんだと思うが、日本人は、
見知らぬ人と目が合ってニコッと微笑みかける
…ってことはない。西欧諸国の人たちの
「目が合うとニッコリ」という習慣は旅行者にとっては心が和む。
堤防で会うその外国人男性も、そういう人の一人だった。


いつの頃からか、彼の姿を見かけなくなった。
本当はちょっと話しかけたかったのに…。
藤井寺市内にお住まいなんですか? 
お国はどちらですか? 
ずっと日本におられるのですか? など。
相手が日本語ペラペラなのか、カタコトなのか、
あるいはほとんど理解できないのか、
その辺がわからなかったが、
僕にもう少しの英語力と度胸があれば、
すれ違いざまにクルっと反対向きになって彼と並び、
一緒に走り始め、まずは英語でそのような話を切り出して
「お友だち」になれたのにな~と思ったりしたけれど、
生まれつき大人しくて遠慮深い僕には、
それはできなかった(誰がじゃぁ~!)


その外国人男性の姿を先月、
大和川で走っているのを見たときは本当に驚いた。
「わっ。あの人や」。何十年ぶりだろう。
寒くなりかけていたのでさすがに上半身裸ではなかったが、
それでもランニングシャツ1枚の軽装。
そして記憶に焼きついているあの前かがみの姿勢。
ダンベルは持っていなかったが、間違いない、あの人だ。
向こうから走ってきた。近づくにつれ、彼が以前に比べると、
体がぶよんぶよんになっているのが見えた。
つまりかつての精悍な体つきではなく、太っていて、
お腹もポテポテに出ていた。金色の髪もかなり薄くなっていた。
顔もずいぶん老けてきたのは、まぁ当たり前といえば当たり前だけど。


すれ違う時、昔と同じくお互いにニコッと笑い、僕は軽く手を振った。
その人は「オハヨウゴザイマス」と言った。
僕も「おはようございます」と返しているうちに、もう離れてしまった。
よ~し。僕たちは堤防のコースを行ったり来たりしているのだから、
また会うぞ。その時、これまでできなかった会話を交わそう。
これだけ長く日本にいるのだから、普通に日本語で話せるはずだ。


そう思いながら、川に橋がかかっているところで、
いつものようにUターンをした。反対側に向かって走る。
すると…。やがて、これまた向こうの橋のところから
Uターンしてきた「前かがみのランナー」が走って来る姿が見えた。
あと数十メートルのところまで近づいたとき、
彼は土手から河川敷へ下りる細い道のところで止まり、
向きを変えて下へ降り始めた。僕はペースを速め、
下って行くその人の背中に向かって「エクスキューズミー」
と声をかけた…というのはウソで「あのぉ~」と中途半端に呼びかけた。
(こんな状況の時、日本語では何と呼びかけたらいいのだろう?)


男性は振り向いた。そしてまた白い歯を見せた。
僕は「ずっとずっと昔、よくここで会いましたよね~」
と英語で言い、そのあと、英語圏の人とは限らないので
スペイン語で言い直し、さらにイタリア語でも同じことを伝え、
次にドイツ語でしゃべり……(もうええわ!)。
もちろんウソです。日本語で言いました。


彼は満面に笑顔を浮かべ、「イイお天気デスネ。ガンバリマショウ」
と手を挙げ、次にその手を振って「サヨナラ」と言い、
河川敷のほうに降りて行った。
今度は河川敷の芝生のところを走るようだ。


ちょっと噛み合わないやり取りだったけれど、
その後姿を眺めながら、数十年ぶりに会った彼は
これまでどうしていたのだろうか? 
母国へ帰っていたのか、大和川の堤防を走ることを
ずっとやめていたのか、あるいは僕は午前中しか走らないけれど、
午後とか夕方に走っていたのだろうか…? 
いろんなことを想像しながら、またひとりでチョロチョロと走り始めた。
振り返って河川敷を見下ろすと、
前かがみのランナーの姿が徐々に小さくなっていた。


それが先月(11月)中旬頃の話である。
あれからまた1月近く経つが、一度も姿を見ない。
また会うことができるだろうか。
“また会う日”まで、英語、スペイン語、イタリア語、
ドイツ語を勉強しておこう(もうええっちゅうねん!)。

 

 

 

 

 

 

 

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