大阪の天王寺区には上町台地と呼ばれる台地があって、多くの坂があります。一昨年のことですが、「天王寺七坂」と呼ばれる7つの坂があることをブログ仲間のちひろさんから教えてもらいました。そして、その七坂を舞台にした有栖川有栖さんの「幻坂」という短編集のことも教えてもらいました。そこで当時、さっそく天王寺七坂を歩いたり「幻坂」を読んだりしました。
ちなみに、ちひろさんは関東地方にお住まいですが、大阪がお好きで、僕よりず~っと大阪の知識に詳しい方です。大阪に住んでいる僕が、関東の方から天王寺七坂や「幻坂」を教えてもらってるんですからね~
文庫本で出ています。
ついでですが、有栖川さんの「幻坂」は、去年「大阪ほんま本大賞」を受賞した、ということも付け加えておきます。大阪に興味はあるけれど、そこまではとても行けない、という方は、この本を読んでいただけたら、天王寺七坂やその周辺についての故事来歴も小説の中に多く挿入されています。幻想的な小説ですが、面白くて、とても読みごたえがありますよ。
さて一昨年に天王寺七坂を歩いた時は、スマホで少ししか写真を撮らなかったので、今回は、沢山写真を撮ろうとデジカメをリュックに入れて、出かけました。
で、その天王寺七坂とは、すべて天王寺区にあるのですが…
これは「幻坂」の1ページ目に載っている地図です。
地図の上(北側)から順に真言坂から逢坂まで散策しました。
この図で説明しますと、谷町筋と松屋町筋が南北に通っていますね。その西側の松屋町筋のほうが低く、そこから谷町筋の方向(つまり東)へ登って行く、ということになります。僕は先週このコースを歩いたのですが、地図の右上に「谷町9」とありますね。ここが地下鉄谷町9丁目駅で、その日はここで下車し、真言坂から一番南の逢坂まで、七坂を登ったり下りたりの散策をしたのでした。
まず家を出てから地下鉄の八尾南駅まで40分ほど歩いたのですが、
近所の大和川の橋から、あべのハルカスがくっきりと見えたのでパチリ。
写真では近くに見えますが、実際はかなり遠いです。
地下鉄に揺られたあと、谷町9丁目駅で降りて地上に出ると、谷町筋と千日前通りが交差しています。
その千日前通りの方を西へ歩くと…
すぐに左側に道があり「真言坂」の碑が立っています。
天王寺七坂は上の地図を見ていただいたらわかりますが、真言坂だけが南北方向で、ほかの6つの坂はすべて東西方向です。しかも真言坂は7つの坂のうちで最も短くて、周囲の建物もマンションばかりでイマイチ殺風景な感じ。しかし明治の廃仏毀釈まではとても由緒ある場所だったようで、坂の登り口にある立て札の案内板にその由来が書かれています。
どの坂にも、このような碑と案内板が立っています。
短い真言坂を上がるとすぐに正面に生國魂(いくくにたま)神社の北門。ここはいわゆる「生玉(いくたま)さん」として親しまれている大きな神社ですが、この生玉さんから南の阿倍野にかけては、「寺町」が形成され、多くの神社仏閣が連なる「最も古い大阪」と言われています。
ところがですねぇ。そんなところに、なんとまぁ、「ご休憩料金」などと書かれた看板のホテルがいっぱいあるのです。お寺とホテル。奇妙な取り合わせですけどね~。小説「幻坂」の「真言坂」編でも、主人公の女性が、生玉さんへ行く途中、「歩くのが恥ずかしい場所も通りました」というくだりがありました。そして
「川柳にみる大阪」という本には、
「生玉に お参りでない 二人連れ」
というのが載っていました。
男女が生玉神社の境内を横切って、アチラへ行くってわけですね(笑)。
さて、僕は生玉さんには入らず、横の道を歩き、左前方にあるラブホテルの派手な看板を見ながら(いえ、別に意識して見ていたわけではありませんよ)10分ほど歩くと「源聖寺坂」の立て札が見えました。今度はこの坂を西へ下って行きます。
源聖寺坂の石畳を下りてゆく。
源聖寺坂は先ほどの真言坂とはガラッと違い、最初はなだらかな石畳、そして途中から石段となり、石段が切れるとまた石畳、そして道は左右に曲がっており、実に変化に富んで趣のある坂道でした。
石段に変わります。
最後はまっすぐ下る石畳の道になり、その先に松屋町筋が見えました。
この坂道を降りたところに源聖寺坂の碑があります。この碑の左側に源聖寺というお寺があるので、その名からとっています。
この坂を下ってきたわけです。
ここからは車が通る松屋町筋の歩道をぶらぶらと南へ歩き、次の3つ目の坂である「口縄坂」へと向かいました。
松屋町筋へ。10分ほどこの歩道を歩きます。
道の左側は、ほとんどお寺です。
「新選組 大阪旅宿跡」というお寺もありました。
では、続きはまた次回、ということにさせていただきます。
一度に七坂全部を書いてしまうと話が長過ぎますし、お読みいただいている方も、多くの坂がごちゃごちゃになると思いますのでね~。ぼちぼちといきます。
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