前回の続きです。
わが家からパソコンでローマのバチカン美術館の公式ホームページを開けて入場券の予約購入をし、カードで支払いも終えたのに、向こうから来たメールの添付ファイル(PDF)を開けてみると、全11ページ中、第1ページ目だけが白紙だった。2ページ目からは美術館の宣伝資料なんだけど、それは全部入っていた。しかしそんな資料なんかはいらないんです。肝心なのは「予約を受け付けました」という1ページ目の確認書なんです。
別のサイトで日本語で解説されているページを見ると、添付のPDFファイルの1ページ目には申し込んだ日時や人数、支払い金額などの詳細が載っていて、QRコードもついていた。それをプリントして、当日見せたらそのまま入れます、とその解説ページには書かれていた。なのに僕に来たメールの添付ファイルには、その部分に何も書かれていなかった…
と、ここまでは前回に書きました。
そこで、僕たちは翌17日、旅行を申し込んだアベノのJTBへ行って事情を話しました。相手をしてくれた女性係員は少し年配の方だったけれど、最初、僕が説明すると、 「そうですねぇ。お客様個人で予約されたことですからね…」 と、丁寧だけど、やはり予想通りの答えが返って来た。しかし、親身にはなっていただいていたようで、「一度、その画面を見せてもらえますか?」と言われたので、僕は自分のスマホを取り出し、Yahooのメール欄を開け、バチカンから送られて来たメールを見せた。
メールの内容はイタリア語と日本語の両方で書かれていて、係員さんは英語の方を声を出して読まれた。「なるほど、当日はこの添付ファイルを入口で示してください、ということが書かれていますね」
これがメールの最後に添付されていたPDFファイル。
そし女性係員は「では、この添付のPDFファイルを開けてください」と言ったので、僕は添付ファイルをタッチし、次に「ダウンロード」をタッチした。するとやはり例のごとく、予約に関することが何も書かれていない1ページ目の画面が出た。
前回にも載せましたが、何も記載されていませんよね。
「これです」と見せると、 「ふ~ん。ホントですねぇ。おかしいですね」と女性はつぶやく。 と、その女性係員は少し考えてから 「もしかすると、開け方によるのかも知れませんね」 と言った。「えっ?開け方?」 その意味がわからない。
「アドビ(Adobe)で開けられましたか?」
それでも何のことかわからないので、スマホを彼女に渡した。
今度は彼女が「添付ファイル」をタッチしたあと「ダウンロード」をタッチ。その時、いつも「〇〇(何だったか覚えていない)で開ける」という文字が出る。僕は深くは考えず、いつも「これで開く」の部分を押していたのです。それで、常に1ページ目が白紙で出てきたのです。それを伝えると彼女は、なるほど、と納得の表情でスマホを改めて僕らに示しながら、
「ここを見てください。画面の下に『他のアプリで開く』というのもありますよね」
「あ、ありますね。触ったことはありませんけど」
「ここを押すと、Adobeという名前が出てきます」
なるほど、「Adobe」というのが出てきた。 そして彼女が、「Adobeで開く」をポチンと押すと…
なんとまぁ!
これまでずっと白紙だったところに、僕たちが申し込んだ詳細が記載され、QRコードもついており、サンプルとまったく同じ画面が出てきたのです。
出ました。僕たちの予約確認書が!
「わっ。出たぁ」
僕たち夫婦は思わず両手をパチパチ叩きました。すると係の女性もパチパチと叩き「よかったですね~」と言ってくれました。そして 「Adobe Acrobatというのは、世界でもっとも広い範囲でPDFファイルを開くのに利用されていますから…。やはり、支障になっていたのは開け方だったのですね~。よかったですね」
いやぁ、さすがによく気がついてくれました。パソコンやネットの知識に弱い僕たちだけでは、おそらく解決できなかったと思います。
僕たちは何度もお礼を言い、その女性係員の方も嬉しそうな表情を浮かべていらっしゃいました。「来てよかったねぇ」と妻と話しながら、もうお昼も過ぎていたので、近くにあるイタリア料理店に入って昼食を取りました。といってもサイゼリアですけどね(笑)。
そこで僕はいつもの辛味チキンやプロシュート(生ハム)などを注文し、赤ワインのデカンタ(500㎜)を飲んでいい気持になりました。そのあと帰宅してすぐに、パソコンを開け、女性に教えていただいたとおり「Adobeから開く」で予約確認書を画面に出し、それをプリントしたのです。
やれやれ。これを持って行けば、ローマのバチカン美術館には、長蛇の列に並ばなくても入れそうです。よかった、よかった。
あ、ところで話は変わりますが…
おととい、病院へ心臓の検査に行きましたが、1年前の状態と変わっていないということで、ホッとしました。もし入院なんて言われたら、バチカン美術館どころではありませんものね~