春休みが終わり、今日から新学年の学校生活が始まりました。
モミィは去年、電車で30分かかるところにある中高一貫の私立中学を受験し、それから1年間、そこで学びました。朝早く起きて7時前に家を出、重いバッグや手提げを持って自転車で駅まで行き、電車に揺られ、着いた駅からまた15分ほど山道を登って学校に着くというハードな通学を続けてきましたが、それも先月で終わりました。
実はこれまで書きませんでしたが、モミィは3月31日をもって私立中学を退学し、4月1日付けで近くにある校区の公立中学校へ転校したのです。そして今朝は始業式で初の登校。近所に住む小学生時代からの仲良しの2人の友だちが家に迎えに来てくれ、3人一緒に元気に出ていきました。
転校の理由はいくつかあったのですが、一つはクラスの友だちとうまく行かなかったこと。部活の理科部ではみんな仲が良かったようですが、クラスの女の子たちはいくつかのグループがあり、モミィはどのグループにも特に属することはなく、「嫌なことをよく言われる」と妻にこぼしていたようです。いわゆる「いじめ」に類するようなものです。
それともう一つは、塾での先生や友だちとの会話の中でいろんな高校の話が出て、自分で高校を選びたい、という気持ちが芽生えたようです。しかし今は中高一貫校なので、普通はそのまま高校に上がることになる。つまり高校の選択肢がないのが、モミィの悩みだったようです。
その2つが主な理由ですが、休みの日には小学校時代からの何人かの友だちと遊びに出かけたりしているうちに、やはり今の学校のクラスメイトにはない温かみを感じたり懐かしさを覚えたりしたのか、気持ちが徐々にその子たちが通う地元の公立中学に傾いて来たのではないかと思います。
思えば今年の2月ごろ。妻から「モミィが転校したがっている」と聞き、ビックリしました。元々今の私立中学はモミィ自身がぜひ受けたいと言った学校です。僕たち夫婦や塾の先生は他の私立中学を勧めたのですが、結局本人の意思を尊重しました。だから妻から話を聞いたときは驚きましたし「なに、それ?」という気持ちもありました。でも、やはりこれは本人の問題だし、その気持ちを尊重するしかないだろうとなり、妻がモミィに「じゃ、自分で決めなさい」と伝えたようです。
そして、本人も悩んだことだと思いますが、2月末の北海道へのスキー実習から帰ってきて、3月3日の日曜日にまた幼なじみの友達と遊びに行った時、その夜にモミィは妻に転校の意思をはっきりと伝えたとのことです。
その翌日の3月4日からは、今度は僕たちのほうが大変でした。まず学校に電話で退学の意思を伝えてから、こちらの教育委員会へ行って事情を話し、手続きを教えてもらい、次に学校へ行って退学届を出し、関連する必要書類をもらい、また教育委員会へ出向き、書類を整え、その後、転校先の公立中学に足を運び諸々の手続きを…という具合に、3月はそんなことでバタバタしました。
中でも、通っていた学校に退学の申し出をするのが一苦労でした。まず3月4日に妻が学校の担任の先生にそのことを電話で伝えました。その夜に、担任からまた電話がかかってきたので、今度は僕が出ました。先生は相当ショックを受けられたようで、
「理由は何ですか? 何か不具合でも? 経済的なことですか? それならそういう制度もありますので。とにかく電話では何ですから、一度直接お会いして詳しい理由をお聞かせください」
と、何だか泣かんばかりの口調で述べられたのですが、経済的理由ってなぁ。なんだ、それ? なにせ私立だから、お金がかかることぐらい入る時からわかってるっていうねん。
僕は担任に「電話でも、直接会ってでも、もう決めたことですから一緒ですがな!」と応戦。「電話では話にならんというわけですか? じゃ、何のために電話ってあるんですか?」
ここは威勢良く、まくしたてる僕でした。とにかく相手を諦めさせなければならない。
一度決めたことだから学校へ残るつもりはないのですが、直接会うと必ず説得攻めにあうでしょう。特に「クラスの人間関係がねぇ…」とでも言ったら、まだ3月下旬の終業式までモミィは学校に通いますし、退学の話は誰にも話さないつもりなのに、今度はモミィが担任から「いじめとかあったの?」などと根掘り葉掘り聞かれて、ひょっとしてクラスに漏れたりするかも知れない。モミィはそれが絶対に嫌なので、妻に「家の都合で、と言ってほしい」と頼んだようです。だから僕としても「諸般の都合で」とか「一身上の理由で」とか、あいまいな理由でお茶を濁さなければなりませんでした。しかし「結論に関しては絶対に変わりませんから」とだけは、きっぱりと伝えました。
その3月4日の電話のやり取りの後、6日に妻と学校へ行ったら、校長先生や学年主任まで同席し「何とか考え直せませんか?」という目で見つめられました。僕は例によって「もう決めたことですから」の一点張りで、退学届の理由欄には「一身上の都合」と書きました。たしかに、なんのこっちゃわかりませんけど。
モミィは1年間、無遅刻無欠席で、在学中には英検の準2級も合格したので担任の先生も期待してくれていたのかも知れませんが、やはりモミィにとって居心地が悪いのならやむを得ません。
そんなことで、今日から校区の公立中学校の2年生として、仲良し友達と一緒にうれしそうに家を出て行ったモミィです。ちなみに、この中学校は、長男(モミィのパパ)も次男も通った中学校なので、僕たちも馴染み深いです。
ところで公立中学には学校給食があります。これまでのように5時15分に起きてお弁当を作らなくてもよくなったのは、正直、やれやれ…ですわ(笑)