僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

釈然としない 

2015年11月28日 | ニュース・時事

昨日、テレビを見ていたら、こんなニュース速報が画面の上に出た。

オウム真理教・菊池直子被告が無罪の判決

つまり…
1995年5月にオウム真理教が起こした東京都庁小包爆発事件に関わったとされる元信徒・菊地直子被告の控訴審判決で、東京高裁が、懲役5年とした一審・東京地裁の裁判員裁判判決を破棄して、逆転無罪を言い渡した…というニュースである。

このニュースを聞いて「なんでやねん」と思った人は多いはず。僕もその一人である。無罪の理由は、一口で言えば客観的証拠に乏しい、ということだった。


これは地下鉄サリン事件から2ヵ月後に起きた事件だった。当時の東京都知事は青島幸男で、その青島知事宛てに送られてきた小包を秘書課の職員が開けた際に爆発し、職員は両手の指の半分以上を失ったということである。

オウム真理教がらみの中でも最悪の事件となった地下鉄サリン事件は、3月20日の月曜日に起きた。たまたま僕は、その前日まで東京にいた。3月17日から19日まで、2泊3日で妻と2人で東京ディズニーランドへ行ったのだった。3日目の3月19日、銀座から地下鉄に乗ろうとしたら、階段の降り口で一人の男がカードのようなものを配っており、僕にも手渡した。何かと思って見れば、地下鉄の路線図だった。しかし、その路線図の裏には、

間もなく日本に、大震災以上の大きな災いが訪れるであろう…

という意味の文が書かれていた。「大震災」というのは、その2ヶ月前である1月に起きた阪神淡路大震災のことである。「変な路線図だな」と思いながら、大阪へ帰った。そして翌日、出勤した職場で、地下鉄サリン事件の衝撃のニュースを見たのだ。

翌21日。春分の日で仕事が休みだったので、家でずっとテレビを見ていた。当然ながら、どのチャンネルも前日の事件を流し続けていた。

その中のひとつを見て、驚いた。あるワイドショーのレポーターが「オウム真理教はその前日、このようなものを銀座で配っていました」と、僕がもらったのと同じ地下鉄路線図をテレビカメラに向けていた。「あ、これと一緒や」と、僕はバッグに入れていた路線図を取り出して、背筋が寒くなった。こんなことがあったので地下鉄サリン事件のことはよく覚えているし、小包爆発事件の時も「またオウムか。警察は何してるんだ」と腹立たしく思ったものだった。

菊地直子被告も、小包事件だけではなく、これら一連のオウム事件に何らかの形で関わっていることは十分に考えられる。そして、小包事件があってから17年間も逃亡生活を送っているのである。何もしていないのに逃げるか…?

「何もしていないけど疑われているから逃亡していた」というわけ? それは…あまり説得力がないように思うのだけれど。

それと、昨日の判決の背景にはこんなことも考えられる。つまりオウム真理教の事件がだんだん風化してきて「オウムを絶滅しろ」という根強かった世論が、最近はゆるんできている。なにしろ20年も昔のことだから…。

そういう、かつての世論の後押しというものがなくなってきたことも、この判決に、微妙に影響しているのかも知れない(情緒的な感想ですが)。

しかし今回は無罪判決だったけれど検察はきっと上告するだろうから、最終の判決は最高裁まで持ち越されるはずである。


それにしても、オウムの元凶・麻原死刑囚は、まだ死刑が執行されていない。もう20年間も飯を食わしてもらって生き延びているのである。その理由は、平田信やこの菊地直子らの共犯者の公判が続いており、事件の全容が明らかになっていないから…ということのようだが、まったく釈然としない。死刑判決は確定しているのだから。

むろん、今回の判決も釈然としない。このオウム事件のその後の推移に関しては、釈然としないことだらけである。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする