僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

運転免許証ものがたり

2015年11月08日 | 日常のいろいろなこと

運転免許証の切り替えが、2ヵ月後に迫ってきた。

僕はもう何十年も車の運転はしていないペーパードライバーだけれど、運転免許証はいちおう毎回更新している。これはやはり、市役所や銀行、auショップ、郵便局へ書留を受け取りに行くとき等々、身分証明書として便利であるから、運転もしていないのに、それなりに重宝してきたのである。

そして、言うまでもないことだが、僕の免許は「ゴールド免許」である。つまり僕は「優良運転手」なのだ。えへん! ここ数十年、ず~っとこのゴールド免許が続いている。

うむ。よ~く考えてみれば(考えてみなくても)、僕は無事故・無違反の以前に無運転なのだ。「無運転」で事故を起こさないのは当たり前だ。あはは。

しかし、まったく運転していない人間にゴールド免許を授けてくれるのだから、まあ公安委員会というところも、なかなか寛大である。

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僕が運転免許を取得したのは、21歳のときである。
自転車で2ヵ月半の北海道往復旅行をした翌年だった。
自転車で走っている時、車は楽だな~とつくづく思った。
大阪へ帰ったら絶対車の免許を取るぞ、と心に決めていた。

そしてその翌年になってすぐ、教習所に通った。

しかし…

初めて路上教習に出たとき、隣席にいた教官が、
「わっ、あぶないっ!」と叫んだ。
「はぁ…?」
と僕が首をかしげると、教官は、胸を撫で下ろしながら、
「いま、そこを歩いていたお婆さんを当てかけたんだよ!」
そう言って、教官は、げんなりした表情で、
「あんたの横に座っていると、生きた心地がしないよ」と嘆いた。
それでも僕は、合格し、運転免許を取得した。

そして父の車を拝借し、友達のいる京都へ行ったり、
大阪近郊をドライブしたりした。
叔母が住んでいた、日本海の丹後半島まで走ったこともある。

そんなある休日のこと。

僕は妻を乗せて、大阪から京都に向かっていた。
京都府に入り、宇治の近くで信号が赤になった。
上り坂の途中であり、僕はブレーキを踏み、停車した。
このあたりで右折するはずだったが…と僕は信号待ちを利用して、
手元の地図を広げてみた。

…そのとき、である。

隣に座っていた妻が、「あ。下がってる…」と言った。
「えぇ? 下がってる?」と僕が聞き返すと、
ガッチャン!
と音がして、背中に衝撃を感じた。

「なんだ、なんだ」と後ろを向くと…、
僕の車は、後方の車にぶつかっていた。
上り坂なのに、サイドブレーキも引かず、足で踏んでいただけで、
しかも、地図に気を取られて、足がブレーキから離れたのだった。
僕の車はスーッと音も無くバックして、後方の車に当たってしまった。

後ろの車から降りてきた年配の男性は、僕を見るなり、
怒るというより、呆れた様子で、
「あの~、あんたねぇ…免許証、持っているの?」
と、いぶかしげに問いかけた。

僕は注意力が散漫な人間である。
ひとつのことをし始めると、他のことが留守になる。

職場でも、車をバックでガレージに入れるとき、鉄柱にぶつけた。
音に驚いてかけつけた車両担当者が、信じられないという顔で、
「あのね、バックでの車庫入れは、アクセルを強く踏んじゃダメ」
と言ったあと、
「あの~、これは、余計なことかもしれないけど…」
と、彼は、車の後ろに刻まれた無残な傷跡を眺めながら、
「車の運転は、やめておいたほうがいいんじゃないの?」
そう言い、心配そうな口調で、
「いつか、人でもハネたら、取り返しがつかないよ」

僕は彼の言葉に納得し、それ以来、車の運転をピタリとやめた。

加害者にもならず、自分が死ぬこともなく元気でいられるのは、
このときの車両担当者の人のアドバイスのおかげである。

特に、今のようなご時世なら、僕は飲酒運転で警察に捕まり、
残りの人生を棒に振っていたことも十分に予想される。
まさに、ありがたい、至宝のアドバイスであった。

確かに僕は、短い運転期間であったが、
運転しながらよそ見していて、中央分離帯に乗り上げかけたり、
考えごとをしていて、踏切の遮断機の前で急ブレーキをかけたり、
狭い道でもう少しで溝に落ちかけたりと、危ないことだらけだった。

要するに、僕は車の運転には向かない性格だったのだ。

…今でも怖い夢を見ることがある。
踏切の遮断機が下りているのに、僕の車は進んで行く。
ブレーキを踏む。力いっぱい踏む! しかし車は停車しない。
チンチンチンチン… と警報が鳴り響く踏切。
下りた遮断機を、押しのけて踏切内に進入し始める。
どんなにブレーキを踏んでも、じわじわ~っと車は前に進む。
「ぎゃぁ~。止まれ。止まってくれぇ!」

スピルバーグ監督の映画「激突」の踏切シーンみたいである。
踏んでも踏んでも、ブレーキがきかない。
チンチンチンチン… 電車がやってくる。うわあ~~ぁ。
た、た、た、助けてェ、助けてくれェ~~…
…そこで目がさめるのである。

これが「優良運転手」の僕が見る夢なのです。とほほ。

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そこで最近知ったのが「運転免許証の自主返納」というものである。
65歳以上になると、免許証を自主返納すれば、
「運転経歴証明書」というものを交付してくれる。
これが免許証と同じ効力を持つ身分証明になるそうだ。

今も身分証明書にしか使っていない免許証なので、
「運転経歴証明書」があればそれで十分ではないか…

しかも提携している企業・店舗などでこの証明書を提示したら、
たとえば、ホテルやレストランでの割引や、
買い物での割り引きなどの特典もあるそうだ。

僕も65歳を過ぎているので、資格はある。
では、この際、警察署に行って免許証を返そう…

で、先週の水曜日(4日)に、警察署に出向いた。

そのことは、次回に詳しく書きたいと思います。

 

 


 

コメント
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