僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

松本清張2夜連続ドラマSP

2014年12月13日 | 映画の話やTVの話など

先週末の土・日にテレビで「松本清張2夜連続ドラマスペシャル」というのがあり、録画した。多くの人もそうだと思うけど、僕も松本清張のドラマのファンで、BSでの再放送もよく見る。今回は2夜連続で録画した「坂道の家」と「霧の旗」を、数日遅れで2夜連続で見た。清張ドラマでも時々「見てガッカリ」というのもあるが、今回は2本ともなかなかよかった。特に「坂道の家」は、主人公のりえ子を演じた尾野真千子と、りえ子にのめり込み5千万円以上も貢ぐ寝具店のオヤジを演じた柄本明が、迫真の演技を見せてくれた。

 

  
   尾野真千子と柄本明の演技力に引き込まれ…

 

尾野真千子の何とも言い尽くしがたい妖艶さと、柄本明の嫌らしいスケベジジイぶりが、2人とも「いかにも」と思わせる熱演で、これほど見ていて引き込まれるドラマも久しぶりだった。柄本が、若い女を知るとすっかり人が変わる。これまでの人生でコツコツ貯めてきた金を、せっせと彼女につぎ込み、妻から文句を言われると「今までずっと真面目に働いてきた。何に使おうと俺の勝手だ!」と怒鳴る。すでに理性を失い、頭の中は常にその女のことで一杯…という柄本の、白目をむいた恐ろしい形相には、思わず引いてしまう。男は老人になっても、若い女との愛欲に溺れるとここまで暴走してしまうのか…と、思わずため息が出る(どういうため息なのだ…?)


翌日は堀北真希の「霧の旗」を見た。「坂道の家」に比べると、清張の作品としてはこちらのほうが有名だろう。今回真希ちゃんが演じた柳田桐子というのは、「松本清張作品を代表する悪女」と言われている。その堀北真希だが、同じ「悪女」を演じた尾野真千子に比べると、まだ幼さが残る表情が無邪気で可愛い。とても復讐のために男を翻弄する女には見えない。重要な舞台となるキャバクラでキャバ嬢として出てきたときは、それなりの雰囲気を醸し出していたけれど、見る側の先入観かも知れないが、やはりどこかにあどけなさが漂う。


こちらは敏腕弁護士の椎名桔平に、無実の罪で逮捕された弟の弁護を頼んだが断られたことに恨みを持ち、女の武器を駆使して復讐する話であるが、このドラマの筋立てでは、なぜ弁護を断った椎名桔平にそこまでの復讐をしなければならないのか…という説得力が弱いように思う。そんなにえらそうに断ったわけではない。強いて言えば、椎名の秘書・橋爪功が横から「先生は忙しいし、弁護費用には500万円ぐらいかかるんだから」と言い放つのだから、むしろ恨むのなら橋爪を恨むべきである。どうも「逆恨み」された椎名桔平弁護士に同情を禁じえなかった。…といっても「ガッカリ作品」ではなく、まずまず楽しめたということは付け加えておきたい。


…ということで、この2本の作品では「坂道の家」の男女のドロドロした圧倒的迫力のほうに軍配を上げたい。ただ、堀北真希ちゃんは、たしかに可愛い過ぎたが、クールな表情で「悪女」の片鱗をうかがわせる雰囲気は出せていたように思う。もしこれが綾瀬はるかあたりなら、もっとよかったかなぁ…な~んて思ったりもしましたが。


で、一昨日(木曜)の新聞で「TVランキング」が載っていたのを見ると、先週1週間のTV視聴率ベスト20の中に「霧の旗」は入っていたが、「坂道の家」は入っていなかった。まぁ、視聴率ってそういうものなのでしょうけど。

 

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする