信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

湯ノ丸山系のラン2

2017年01月14日 | 山野草

トンボソウはツレサギソウ属に分類することもあり、この属の仲間とよく似ています。


湯ノ丸山系に分布するツレサギソウ属の仲間とは唇弁の形で見分けられます。
トンボソウの唇弁はT字形に3裂し、ツレサギソウ属の仲間の唇弁は分裂しません。
唇弁の長さは3mmほどですので、私の視力ではルーペがないと確認は難しいです。


長楕円形の大きい葉が2個、茎の下部にやや弓なりに湾曲して互生します。
この特徴もツレサギソウ属との見分けのポイントになります。
茎の上中部には3~5個の鱗片葉が互生します。


花は淡緑色で幅が5mmほどと小さく、訪れたヒラタアブと比べてみました。
背萼片と側花弁に守られてずい柱があり、そのすぐ下に距の入口があります。
距は長さが5mmほどで子房に沿うように下に曲がり、奥には蜜が入っています。
その密を求めて昆虫が訪れる際に受粉が行われます。


ツレサギソウ属の仲間はよく似ていて見分けには苦労します。
図鑑を頼りに見当をつけているのですが、自信があるわけではありません。
撮った写真から特性などを整理して、今年のシーズンに備えようかと思います。


湯ノ丸山系に分布するとされる8種の内、葉での見分けでは3種が特徴的です。


残る5種は、ふつう大きい葉は1個で、上部の葉は小さくなり鱗片葉になります。
キソチドリは葉が開きぎみになり、他の4種はふつう斜上します。
4種のうち、タカネサギソウは草姿ががっしりしているので見分けは容易です。


大きい葉1個の5種は、側花弁の特徴によって2つに分けられます。
キソチドリなど3種の側花弁は斜卵形で、下半部が広く、先が急に細くなります。
ホソバノキソチドリなど2種の側花弁は長楕円形で、先が細くなりません。


ヤマサギソウはまだ見ていませんが、キソチドリとは花でも見分けられるそうです。
萼片は見分け表のとおり、側花弁は先端部が細く伸びるのがキソチドリとのことです。
葯室は、キソチドリが逆さ八字型、ヤマサギソウが八字型と聞いたこともあります?


側花弁の先が急に細くならずに同じ幅の2種のうち、コバノトンボソウは見ていません。
2種は、花の向きや、距の先端の向きで見分けられるそうです。
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