めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

命のリレー

2013-04-08 13:46:41 | 日記
昨日の春の嵐と共に桜の季節が足早に去って、
外は眩しいばかりの初夏の光に満ちていた。

強い風が上空の塵を持ち去ってくれたのか
今日の空は抜ける様に青々としている。
季節は次のステージへと進み、目黒川の桜も
緑の色を一段と濃くしてきた。

それに伴い今まで緑の塊に過ぎなかった沿道の
躑躅の蕾が一斉に膨らみはじめ、中には早くも
艶やかな赤やオレンジの花を広げ始めた。

今まで可憐なソメイヨシノの薄いピンクの帯に
彩られていた並木道に、次なる桜の息吹が一斉に
芽吹いてきた。ソメイヨシノとは大きさも色合も
全く違う一回り大きな花弁を持った八重桜群だ。
これから五月にかけて幾種類もの八重桜が次なる
主役として名乗り出て来る。

自然とは何と美しく逞しいのだろう。
誰が教えるともなく季節が来ると一気にその存在を
我々に示す。毎年営まれるこの自然の摂理に、どれだけ
我々は癒されてきただろう。我々はこの美しい時期ばかり
目に付いて、一年を通じて営まれる大自然の美しさと
逞しさに気が付かない。




命の繋がり

2013-04-05 18:50:37 | 日記
いよいよ桜の花も見納めか、緑の方が目に付くようになった。
あんなに沢山の人の歓声に包まれていたのに、道行く人々の
視線はただ前を見ているだけだ。

今年は随分沢山の写真を撮った。過去十年の記録と照らしても
今回の桜は少し白かった。淡いピンクのトンネルのイメージが
出てきたのは、花弁が半分以上散ってしまって花芯が見えるように
なってからだった。

しかしながら、今年は本当に長く楽しませてくれた。咲き方が
急だったにもかかわらず、かなり長く持ちこたえたその姿に
誰もが感動を覚えた。

散った桜はゆっくりと流れ下り、いずれ東京湾へと行き着く。
桜の花だけでなく、東京湾に流れ込む河川からは、非常に
多くの栄養が齎される。もちろん公害物質も多く含まれる。 
だが、東京湾の巨大な懐はすべてを受け入れ次なる命を
はぐくんでいく。そのサイクルに我々人間も例外ではない。

地上にある全ての生命は繋がって生きている。
この美しい自然を守り残していく事が、我々人類の
未来を幸せにする大切な使命であると思える。








自然の摂理

2013-04-03 18:02:32 | 日記
今日は一日中冷たい雨が降っている。
桜の花も寂しげに冷たい雨にうたれていて
あの過ぎ去った春の息吹と人々の笑顔が
遠い過去の様に思える。

桜の花は、寒い冬から我々の閉ざされた心を
一気に解き放ち、未来を夢見させるような
素晴らしい演出をしてくれるが、その期間は
余りにも短い。誰もが見上げその美しさに
酔いしれたのに、今では黒い川を静かに流れ
下って行ったり、土にまみれて無残な姿を
見せる。花は桜だけではない、これから夏にかけ
数々の花々が我々の目を楽しませてくれることは
解っている。だが、桜の花は何故か悲しい。
宴の後の寂しさの様に、あの美しいピンクの帯が
一気に冷たい雨風に打ちひしがれる。

これは我々日本人のエゴなのだろうか。
自然の摂理からすれば、桜の花が散って
次には太陽の恵みをたっぷり受けて更なる
成長を目指す緑の季節への一過程に過ぎないのに。
もし花が咲いても葉が育たなければ来年の春に
またこの感動を得られないのに。
自然は生きるために未来のために今ある姿を
簡単に変えていくのに、我々人間は、何故
次のステージに進めないのだろうか。
目先の欲望や生活に固執して次のステージに
進めない自分に苛立ちすら感じる。

若いころは何でもできるのは、何があっても
次のステージに移れる心の余裕があるから
だろうか。人生の後半を迎えるとあらゆる
シガラミがツタの様に絡まり、それに増して
心の柔軟性がどんどん無くなっていく。
経験も知識もたくさん身についているのに
たった一歩を踏み出す勇気が無い。
いや、これは勇気だと言ってる時点でもう
だめなのかもしれない。
新しいことに挑戦するということは、
桜の花がいとも容易く散っていく位の
自然なことなのかも知れない。