ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシで少子化が進む

2020-10-14 | ベラルーシ生活

 10月14日はベラルーシでは母の日です。

 それを受けてベラルーシで少子化が進んでいると発表されました。

 家族と母性支援センター「マトゥーリャ」によると・・・

 ベラルーシでは最近、1年間の出生児の数は平均10万人。(ベラルーシの人口は約950万人です。)

 ところが今年は87602人だった。

 ・・・とここまでニュース記事を読んで私は

「? 今年はまだ終わってないんですが?」

と思いました。どういう計算方法なのかよく分かりません。

 仮に今年1月から9月までに生まれた子どもの数が87602人だったとして、このペースで今年の12月まで子どもが生まれ続けると、全部で11万人生まれることになるので、ふつうなのですが・・・

 昨年10月から今年9月にかけての12ヶ月間に生まれた子どもの数が87602人だったのでしょうか。

 ともかくニュース記事を書いているジャーナリストの記事の書き方がきっちりしていないので、読んでいて困ることがあります。そもそもこのマトゥーリャセンター長の発表、として記事が書かれているのですが、このセンター長の表現がきっちりしていないのをそのまま記事にしているということでしょうか。

 

 次にこの記事によると、いわゆる出産可能な年齢の女性の数はベラルーシでは220万人。時間が経つにつれて、「もう出産できません。」という女性が増えてきますが、代わりに「出産できるようになりました。」という年齢の女性の層が少ないのが問題。

 もうすぐ(どれぐらいもうすぐ? 詳しい数字が記事にありません。)出産可能な女性の数は半分以下の100万人になる。その後もしかすると、50万人にまで減少するかもしれない。

 ベラルーシの人口を維持するためには一人の女性が3.1人の子どもを生涯で出産する必要がある。

 しかし、実際にはベラルーシ人の女性が生涯で出産する子どもの数は平均1.3人である。

 つまり少子化が進んでおり、これからベラルーシの人口は減少するから問題だ・・・そうです。日本と同じ問題を抱えていますね。

 今年(?)新生児数が大幅減(?)になったのは、衝撃的とマトゥーリャセンター長。その理由を、コロナウイルス感染拡大や社会不安によるものではないかと分析していました。

 

 確かにコロナウイルスのせいで、今年は妊娠を控えようと考えた女性や夫婦が増えた可能性はありますね。

 でも私から言わせれば、大統領選挙の後、若い世代に対して「この国の政治や選挙結果が気に入らないのなら出て行けばいい。」と平然と言うベラルーシ人がいることが問題ですよ。「はい、もう見切りつけました。デモ集会に参加したってこの国は変わらないだろうし、無駄な努力したくない。他の国へ行きます。ポーランドやリトアニアはベラルーシからの移民を歓迎しているんだし。」と若い人たちが出て行ってしまい、この人たちは外国で就職し、結婚し、家庭を作り、子育てするのですから、ベラルーシの人口は増えません。

 「国がネットを遮断するから仕事にならない。勤務していたIT企業そのものが外国へ移転することになったので、家族で引っ越します。」という若い世代もたくさんいます。

 こうして外国へ家族で引っ越し。子どもはその国の学校に通い、やがて就職、結婚します。ベラルーシ人だけどベラルーシを外国のように感じて成長します。もうベラルーシへは戻ってきません。

 こうして、ベラルーシから子どもが産める若い人がいなくなり、子どもが産めない世代は国内に残る傾向が続きます。

 今年の新生児数が減少したのはコロナウイルスのせいかもしれませんが、来年以降の減少はコロナウイルスのせいではなく、若い人が外国へ出て行ったのが理由の一つになるでしょう。

 このままだとベラルーシの国内は空洞化が進み、大変大きな問題が起こります。(日本もよその国のことは言えないのですが。)若い世代にとって住みやすく、魅力のある国を作らないと、まず出産できる可能性がある人がどんどん国外へ出て行ってしまいます。今は21世紀なのでスマホとパソコンを持って、若い人は簡単に外国へ移住してしまいます。


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