ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

新美南吉と私 (7)

2013-08-06 |   新美南吉
 新美南吉の新美は本名ですが、名前はペンネームです。でもどうして南吉にしたのか、はっきりしていないです。
 新美南吉記念館のサイトではこうなっています。

 記念図録「生誕100年 新美南吉」では初恋の恋人の名前、威子、 みなこ → みなみ → 南 → なん →南吉にしたのでは? という仮説が載っています。
 
 ペンネームについては安城女学校時代に新美南吉自身は生徒に「な」というあ音が入ると、明るくなる、苗字の新美はい音ばかりで暗い、と話しています。でも本名は正八なので、あ音である「は」が入っているのです。
 だからこの説明はちょっと変だと思います。

 そこで私から新説を発表します。これはやはりみなこから考えたペンネームだと思うのですが、アナグラムという方法を使ったのではないでしょうか?
 こう思ったのは小説「坂道」を読んだときです。主人公は東京の専門学校に通う学生で、新美南吉自身が明らかにモデルです。
 主人公には妹がいて、その名前はスミ子です。新美南吉には弟がいて益吉と言います。
 この名前をローマ字にすると
MASUKICHI

この文字の順番を変えて分けます。
SUMIK ACHI
 SUMIKの後ろにOを付けるとスミ子になります。 ACHIは捨てます。これがつくと男性名らしくなるからです。

 スミ子という女性名は益吉から作った名前ではないか、と思いました。
 そこでみなこをローマ字にします。
MINAKO

 これを並べ替えます。

NAMKI O

 Oがつくと女性名になるので、捨てます。男性名にするためにCHIをつけます。
NAMKICHI

 このままだと「なむきち」ですが、「なんきち」に音の響きが近いですね。
 これに漢字をあてて、南吉。
 
 これがペンネームの由来!・・・ではないでしょうか? あくまで仮説だけれど、こういう言葉遊び(文字の並べ替え)を、東京外大出身で文学者の新美南吉がしていたとしてもおかしくないのではないか? と思っています。

 これが本当だとすると、やっぱり初恋のみなこさんのことが、相当好きだった、というか一体化したかったのかなあ、なんて思いをめぐらしてしまいます。


  

この記事についてブログを書く
« 新美南吉と私 (6) | トップ | ミンスク市立児童図書館ブロ... »

  新美南吉」カテゴリの最新記事