ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第173回」

2015-02-09 |   ビタペクト配布活動
 2月9日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第173回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を8個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを2部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2302個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2084部となりました。
 今回で通算188目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2302人の子どもにビタペクトを、2084家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42

(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 今回は2家族がミンスク(チェルノブイリ原発から約350キロ)から、SOS子ども村に保養滞在していました。

(家族A)

 ミンスク(チェルノブイリ原発から約350キロ)から来た家族。
 お母さんが8人の実子を連れてきていました。この家族に4個のビタペクト3を渡しました。

 この家族は2011年にも保養滞在したことがあります。そのときの様子はこちらをご覧ください。
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第125回」(家族B)

 2011年と今回の体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を渡しました。
 
母親(事故発生時9歳)18ベクレル → 14ベクレル
長女(15歳)18ベクレル ○ → 16ベクレル
長男(12歳)29ベクレル ○ → 26ベクレル ○
次女(10歳)34ベクレル ○ → 26ベクレル ○
次男 (9歳)38ベクレル ○ → 21ベクレル ○
三男 (8歳)24ベクレル ○ → 24ベクレル ○
三女 (7歳)38ベクレル ○ → 18ベクレル
四女 (5歳)28ベクレル   → 15ベクレル 

 この一家はさらに四男が生まれて、子どもの数が8人になっていました。
 四男は生後9ヶ月なので測定は行っていません。
 子どもたちの健康状態についてですが、4年前と特に変化はないそうです。
 風邪をひいたりなどの病気はなく、ある意味健康だとお母さんは話していました。
 しかしチェルノブイリ原発から遠く離れた首都ミンスクで暮らしている子どもたちの被爆量が減ったものの、常時被爆している状態であるというのが気になるところです。


(家族B)

 お母さんが6人の子どもを連れてきていましたが、末っ子は生後2ヶ月なので、測定はしていません。(というより不可能。)この家族にも4個のビタペクト3を渡しました。

母親(事故発生時11歳) 9ベクレル
長男(15歳) 18ベクレル
長女(12歳) 34ベクレル ○
次男 (9歳) 32ベクレル ○
三男 (6歳) 28ベクレル ○
次女 (4歳) 26ベクレル ○

 お母さんに子どもたちの健康状態についてお話をうかがいました。
 長男は背骨の一部が縮んで歪みがでているため、サナトリウムにときどき行ってマッサージを受けています。
 次男は慢性的に足の痛みを訴えるので、医者からマグネシウムのサプリを飲むように言われ、定期的に飲んでいるそうです。
 三男は生まれつき心臓の壁に穴が開いていましたが、経過を見ていたところ、現在は自然にふさがったそうです。 
 次女は慢性気管支炎でしたが、最近は発症していないそうです。体が弱く月に1回は扁桃腺を腫らすなどの病気になっています。また牛乳や卵のアレルギーも持っています。

 お母さんは子どもたちの被爆量について、同じ兄弟なのに、どうしてこんなに差があるんですか?ときいていましたが、私から言わせれば、大きな違いはないと思います。

 子どもたちはみんなミンスクの生まれですが、お母さんはビテプスク州の出身です。
 実家のおばあちゃんの家の近くにある森で採ったベリー類を、毎年たくさん食べているそうです。
 お母さんが言うには、この森は安全な森で、ベリーやきのこを採ってもいいという場所にあるそうです。ただ採ったベリーを測定したことは一度もないと話していました。
 さらに「以前危険だった地域を今は安全として、そこで摂れた野菜を首都のミンスクで販売している。それを食べるより、汚染地域に指定されたことがないビテプスクの森で自分たちで摂って来たベリーを食べるほうが安全です。」とも話していました。
 ミンスク市内の市場には測定所があるので、念のため一度測定することを勧めました。

 正直言って、ミンスクの店で食料品を買って食べている家族Aと、夏場ビテプスク州の森で採れたベリーを食べている家族Bの被爆量にそんな大きな差はないなあというのが私の感想です。

 画像は記念撮影したものです。家族Aのお母さんは片目が失明しているせいか、写真を撮られるのがいやだそうなので、ここには写っていません。
今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方(千羽鶴プロジェクト)、日本語で子どもの名前を書いた絵葉書、着物から作った巾着袋をプレゼントしました。

 子どもたちは折り紙が大好きなようすで、すぐに紙を取り出して、鶴を作っていました。しかも初めてだという割には上手にできていてびっくりしました。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書、巾着袋など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。