ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第154回」

2013-10-17 |   ビタペクト配布活動
 10月17日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第154回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を9個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2078個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1910部となりました。
 今回で通算168回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2078人の子どもにビタペクトを、1910家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80



 今回は2家族が、SOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族にお話を伺いました。

(家族A)

 ノボポーロツク(チェルノブイリ原発から470キロ)から来た家族。
 お母さんが7人の子どもを引率していました。
 しかしこのお母さんには会うことができませんでした。このお母さんには17歳の長女がいて、年齢が高いことからお父さんと留守番をしていました。専門学校に通っているそうですが、私がSOS子ども村を訪問する前日に、学校の同じクラスの友だち数名から集団で殴る蹴るの暴行を受け、入院したのです。お父さんから連絡があり、お母さんは(どういう理由か12歳の次男も連れて)自宅近くの病院へ戻りました。
 とても気の毒です。これもいじめってことなんでしょうか。ベラルーシでもいじめはあるのですが、だんだん凶暴になりつつある、暴力シーンの多いテレビや映画、ゲームの影響か? とSOS子ども村の職員さんたちは話していました。

 放射能の測定自体はお母さんが一時帰宅する二日前に受けていました。この家族には4個のビタペクト3を渡しました。
それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時9歳)16ベクレル 
長男(15歳)18ベクレル  
次男(12歳)29ベクレル ○
次女(12歳)39ベクレル ○
三女(11歳)17ベクレル 
四女 (9歳)18ベクレル 
五女 (8歳)31ベクレル ○
六女 (5歳)28ベクレル ○

 お母さんがいなかったので、詳しい話を聞くことができませんでしたが、次男が生まれつき心臓病で、5歳のときに手術を受けたそうです。
 今でも疲れやすく、身体障害者認定を受けているそうです。
 他の子ども達は比較的健康ということでした。
 ただお姉さんが大怪我して入院、お母さんはそばにいない、ということで、みんなしょんぼりしていてあまり元気がなかったです。


(家族B)
 
 モロジェチノ(チェルノブイリ原発から390キロ)から来た家族。
 お母さんが7人の子どもを引率していました。
 ただ一番年上の長男はミンスクの大学に通っているということで、SOS子ども村には寝泊りしているだけだそうです。
 この家族には5個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時14歳)15ベクレル 
次男(12歳)21ベクレル ○
三男(11歳)30ベクレル ○
四男 (9歳)29ベクレル ○
五男 (6歳) 0ベクレル
長女 (5歳)20ベクレル ○
次女 (2歳)21ベクレル ○

 次女は2歳なのですが、来年初め3歳になるということで、お母さんが希望したため、ビタペクト3を渡しました。
 子どもたちは健康だそうです。ただ長男が偏平足だということでした。五男は片足だけが偏平足で、矯正する体操があるので、それを18歳までにして治しておかないと、40歳を過ぎてから歩行に問題が出てくる、と医者におどかされたそうです。 
 偏平足ってそんなに問題があるの? とびっくりしました。
 本人は特に不自由していないそうです。
 お母さんは出産のたびに髪の毛が抜けて、大変だそうです。

 この家族のお父さんはアフリカ出身。お母さんはベラルーシ人ですが、子供たちを見ているとお父さんのほうの遺伝子が強いなあ、と思いました。
 子ども達は、サッカー、ダンス、音楽に非凡な才能があるそうで、やっぱり筋肉とかリズム感とかアフリカの血のおかげなのかな、と思いました。

 つい「お子さんたちは外見上のことでいじめにあったりしませんか?」とお母さんに尋ねましたが、やっぱりある、ということでした。
 でもスポーツや音楽で才能を発揮しているので、学校では他の子どもから尊敬されているそうです。また学校の先生の指導にも大きく左右されるとお母さんは話していました。
 日本でもいじめが問題になっていますが、学校の先生にもよるんだろうなあ、と改めて思いました。  
 
 画像は記念撮影したものです。ただ家族Aのお母さんなど写っていない人がいます。
 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方(千羽鶴プロジェクト)、着物から作った巾着袋をプレゼントしました。
 日本の絵葉書に子ども達の名前を日本語で書くと、家族Aのほうの子ども達にはようやく笑顔が出ました。家族Bのほうの子ども達は興味津々ということで熱心に眺めていました。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や巾着袋、絵葉書など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。