ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第153回」

2013-10-03 |   ビタペクト配布活動
10月3日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第153回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を6個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2069個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1900部となりました。
 今回で通算167回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2069人の子どもにビタペクトを、1900家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80



 今回は2家族がブレスト市(チェルノブイリ原発から約440キロ)から、SOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族にお話を伺いました。

(家族A)
 お母さんが3人の子どもを引率していました。この家族には2個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時12歳)27ベクレル 
長男(15歳)25ベクレル ○ 
長女(12歳)28ベクレル ○
次女 (1歳)22ベクレル

 健康状態についてお母さんにお話を伺いました。
 長女が近視というほかには、特に問題はないそうです。ただ次女がダウン症です。年齢が3歳以下なので、ビタペクト3は渡していません。
 お母さんは「小さい子どもはどうしたらいいの?」と質問したので、ペクチンを多く含む果物(りんご)や野菜(グリーンピース)などを勧めました。
 被爆の原因は食べ物だと思いますが、具体的な理由は分かりませんでした。
 次女がダウン症ということで、お母さんはSOS子ども村の心理カウンセラーにカウンセリングしてもらったり、一生懸命に子育てしているようでした。
 

(家族B)
 お母さんが6人の子どもを引率していましたが、このうち1人は学校に行っていて、WBCの測定は受けていません。さらに12歳の長女は家でお父さんと留守番しているそうです。理由は牛を飼っているから、その世話をするためです。
 この家族には4個のビタペクト3を渡しました。それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時8歳)28ベクレル
長男(11歳)20ベクレル ○
次女 (9歳)22ベクレル ○
三女 (5歳)26ベクレル ○
三男 (4歳)27ベクレル ○
四男 (1歳)22ベクレル

 子どもたちは比較的健康だということでした。ただ今回保養に来ていない長女が一番病弱で、アデノイド、扁桃腺を取る手術を受けたりしたそうです。
 7人兄弟のうち、一番年上だからという理由で、留守番を任され、保養に行けずWBC測定を受けられなかったり、せっかく保養に来ているのに学校に行っていて測定につれて行ってもらえなかった子がいたり、運命なのかなあ、と思いますが、このように、WBC検査のチャンスからもれる子どもや無料のサプリをもらえない子どもなどが出てくるものなのかもしれません。これは将来の日本でも起こりうることだと思います。
 できるだけそういうことのないように体制作り、チェック機能作りを日本はしないといけないと思いました。

 この一家はグロドノ市内に住んでいますが、町外れの一軒屋に住んでいるそうです。そして牛を飼っていて、いつもその牛乳を飲んでいるのだそうですが、被爆の原因はそれではないかと話しました。
 しかし1年に1回この家の牛の牛乳は放射能の検査を受けており、毎回「大丈夫。」と言われているそうです。具体的に1リットル何ベクレルだったのか、といった結果報告はしてもらっていない、ということでした。牛乳の基準値は1リットルあたり100ベクレルなので、おそらくそれ以下なのだろうと思いますが、測定した数値を明確に示さないというのは、やはりおかしいと思います。
 放射能測定に限らず、ベラルーシの医者などもそうなのですが、対応というものが、こんな感じです。
「1リットルあたり何ベクレル、と検査結果を教えても、素人にはこれが危険なのか安全なのか、どうせ分からないでしょ。だから簡単に『大丈夫』と言っているんです。」
 おそらくこのお母さんは「お宅の牛乳は大丈夫ですよ。」と言われたときに「はあ。」としか答えていないと思われます。
「大丈夫って具体的に1リットルあたり何ベクレルなんですか?」
とつっこんで質問していないのです。
 こんなふうに対応されないように、検査を受ける側も賢くならないといけません。賢くなる、とは放射能の知識をつけるということです。日本人の皆さんも賢くなってください。

 学校で放射能のことを勉強していませんか? と子どもたちに尋ねたところ、日本で言うと小学5年生の長男が
「学校でチェルノブイリのビデオを見た。」
と言っていました。1986年にこのような大事故があり・・・といったどちらかと言うと歴史的事実としてチェルノブイリを教える、というもので、先生も「放射能は危険。」といった子どもを怖がらせるようなことは言ってなかったそうです。
 小学生ではまだ難しいかもしれませんが、放射能についてちゃんと学ばないといけないな、と思いました。

 画像は記念撮影したものです。ただ家族Aのお母さんと次女は写っていません。
 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方(千羽鶴プロジェクト)、着物から作った巾着袋、こけしをプレゼントしました。かわいい現代風デザインのこけしにとても喜んでいました。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や巾着袋、こけしなど子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。