電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

笹巻きで笹を使う理由

2005年06月22日 20時42分30秒 | Weblog
たんにもち米を蒸すだけなら、せいろのようなものを使えばよい。なぜ笹の葉を組み合わせてもち米をつめ、糸でしばって蒸すような面倒なことをするのか。それは、どうやら保存が目的らしい。たしかに、笹巻きは保存できる。翌日もちゃんと変質せずに食べられる。これは、なぜなのだろうか。
考えられる理由の一つは、蒸すさいに殺菌されることだ。かなり長時間蒸気滅菌され、しかも二重に巻かれた笹の葉が密着し、じかに外気に触れることが少ない。いわば、耐熱性に優れた植物性ラップだ。もち米や笹の葉に付着した雑菌はほとんど死滅するだろう。
考えられるもう一つの理由は、笹の葉が持っている成分の作用だ。ベゴニアがレタスの発芽を阻害するように、あるいは桜の下にクローバーは生えないように、クマザサの葉の微量成分が揮発し、もち米に付着して雑菌の成育を阻害するという可能性がある。そういえば、クマザサのやぶの中には、ほとんど他の植物が成育できない。
実際のところどうかは不明だが、笹巻きの保存性が良いのは事実で、固くなってもあぶって食べられる。きな粉でなく、お醤油をつけて、あつあつで食べるとこれもおいしい。昔の人の知恵の合理性に感心させられる。
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