電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

パブリック・ドメインになって初めて知った録音〜フランチェスカッティによるメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」を聴く

2019年03月07日 06時01分05秒 | -協奏曲
当方、若い頃から、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の正規録音は、LPやCDで、できるだけ集めるようにして来ました。近年は、著作隣接権保護期間が満了し、多くがパブリック・ドメインの仲間入りを果たしましたので、販売店からの「廃盤」「品切」「再発予定なし」という回答を待たずとも、ネット上で堂々と入手できるようになり、喜んでいます。

ところで、先日「クラシック音楽へのおさそい〜Blue Sky Label〜」のデータベースで「Szell」を検索したリストを眺めているうちに、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が含まれていることに気づきました。ヴァイオリンをジノ・フランチェスカッティが演奏する1961年のステレオ録音です。

はて、こんな録音、何度も何度も眺めている1970年の CBS-SONY のレコードカタログでも記憶がありません。どれどれ……




うーむ、見つけてしまいました。ジョージ・セルの録音のところにはなくて、フランチェスカッティのところに、シッパース指揮ニューヨーク・フィルとのチャイコフスキーとのカップリングで掲載されていたのです。SONC-10062、実に49年ぶりの発見です。

そういえば、いわゆる「メン・チャイ」カップリングの人気始めは、1950年代のフランチェスカッティのモノラル旧盤だったらしい。その再録音の片方が、なんとセル指揮クリーヴランド管とだった、ということなのでしょう。

YouTube にもありました。
Mendelssohn Violin Concerto Zino Francescatti The Columbia Symphony Orchestra, George Szell


美音のヴァイオリニストとしてのフランチェスカッティの魅力と、1960年代初頭のジョージ・セル指揮クリーヴランド管のストイックな強さの魅力とが、不思議な説得力を持っています。メンデルスゾーンの別な面、恵まれた環境に育ったひよわなボンボンではなくて、たぐいまれな素質を持ちながら抑圧されることへの強い抵抗感や意思を持つ存在としての面に触れるようです。


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4 コメント

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Unknown (サンフランシスコ人)
2019-03-08 04:28:45
フランチェスカッティ/セル/クリーヴランドは、1955年と1961年にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏しました....
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サンフランシスコ人 さん、 (narkejp)
2019-03-08 06:17:57
コメント&情報をありがとうございます。そうですか、1955年にフランチェスカッティと演奏会を行っているのですね。以前、Szell/Clevelandの定期演奏会の曲目一覧を掲載したサイトがあったのですが、最近は無料HPの撤退のせいか、見つけられなくなってしまいました。裏青盤を探せば、いくつかあるのかもしれませんが、正規盤を集める範囲で楽しんでおります。また情報がありましたらお知らせください。
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Unknown (おじじ)
2021-05-19 09:58:58
CBSソニークラブで、クラシックLPレコードが30枚セットで販売されており、フランチェスカッティも入っていました。来日しなかったんだですよね。残念です。
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おじじ さん、 (narkejp)
2021-05-19 10:47:54
コメントありがとうございます。美音のヴァイオリニスト、フランチェスカッティの録音は、たしかベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」もLPで持っているはず。当時のレギュラープライス盤が次々とパブリックドメインになり、ありがたいような残念なような、複雑な気分です。そういえば、CBSソニーのクラブでLPセットやCDセットを販売していましたね。CDセットは某中古書店で分売されているようですが、LPセットというのは当地ではあまり見かけないようです。
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