電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

レスピーギ「ローマ三部作」の演奏の順序

2014年07月31日 06時02分16秒 | -オーケストラ
先日の山形交響楽団と仙台フィルの合同演奏会では、レスピーギの「ローマ三部作」を演奏しました。三曲の順序は、(1)ローマの噴水、(2)ローマの祭り、そして(3)ローマの松、というプログラムでした。
静かで繊細な「噴水」の後に、ど派手で賑やかな「祭り」を置き、休憩後は音楽として充実した聴き応えのある「松」で締める、というものかと思います。

そういえば、手許にある「ローマ三部作」のCDでは、どういう曲順になっているのだろう? と調べてみました。



■オーマンディ指揮フィラデルフィア管(CBS-SONY)、ムーティ指揮フィラデルフィア管(EMI)
 (1)松、(2)噴水、(3)祭り
■ティルソン・トーマス、バーンスタイン(CBS-SONY)、バティス指揮RPO盤(NAXOS)
 (1)祭り、(2)噴水、(3)松
■小沢征爾指揮ボストン響(DG)
 (1)松、(2)祭り、(3)噴水

ふむふむ。オーマンディ盤とムーティ盤は、ド派手に賑やかに盛り上げて終わろうという考え方ですね。ティルソン・トーマスとバーンスタインの組み合わせの盤やバティス指揮ロイヤルフィル盤では、キャッチーな「祭り」で聴衆をつかみ、静かな「噴水」と対比させて「松」で締めようという心づもりでしょうか。最後の小沢盤では、最後を「噴水」で静かに締めるという構成です。それぞれに、プログラムの組み立てを考えたのでしょう。その点からいっても、今回の「噴水→祭り→(休憩)→松」のプログラムは、おもしろかったと思います。

さて、こんどはアフィニス音楽祭だな。楽しみは続きます。


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8 コメント

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どれだったかしら・・? (ジェイン)
2014-07-31 06:47:41
レスピーギ「ローマ三部作」~ちょっと気になってました。

以前私、ブラスバンド愛好会の演奏会にこの曲、トラで乗ったことがあるんです。キーボードが必要ということで頼まれ、オルガンパートでした。とても好評でアンコールと声がかかり、準備してなかったので‘’アッピア(街道)から~‘’と指揮者から指示があり演奏したのを覚えています。

あれはローマの・・  何だったのでしょう?
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ジェイン さん、 (narkejp)
2014-07-31 17:47:22
コメントありがとうございます。吹奏楽でも、「ローマの松」あたりはよく取り上げられるようですね。それは多分、「アッピア街道の松」で、「ローマの松」の終曲だと思います。アンコールに「アッピア街道の松」ですか。きっと、元気の良い、しかも技量もかなり水準の高い吹奏楽団だったのでしょうね。
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曲順 (ヒロノミンV)
2014-08-01 19:53:10
 こんばんは、いつも興味深く読ませていただいてます。
 今年の1月に佐渡裕指揮・兵庫芸術文化センター管のコンサートでローマ三部作をやっていました。順番は、「祭」「噴水」と来て、休憩後にリュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲を挟んで、最後は「松」でした。動-静-静-動という構成にしていたように思います。
 作曲順では「噴水」「松」「祭」の純なんですよね。コンサート、CDともにこの順番ではめったに見かけないのも興味深いところです。
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ヒロノミンV さん、 (narkejp)
2014-08-02 07:25:18
コメントありがとうございます。なるほど、「リュートのための古風な舞曲とアリア」をはさんでの構成は、休憩の前後の時間的バランスも考えたものでしょうか。サービス精神旺盛な佐渡さんらしいかも(^o^)/
作曲の順番では、たしかに「噴水」「松」「祭り」の順ですね。これだと、「松」の印象が少々後退してしまうかもしれません。皆さん、実は「ローマの松」がお好きなのでしょうね。(^o^)/
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作曲順ばかりかと思ってました (安倍禮爾)
2014-08-04 12:52:31
narkejpさん

 この3曲は作曲順ばかりかと思っていました。初演者のトスカニーニはどういう順番だったかな?
 私の記憶では噴水が一番演奏されているような気がしていました。きくところでは祭りが一番演奏が難しく、この曲だけ採りあげない指揮者が多いとか。
 確かに噴水は印象派みたいに聴こえることもありますから、親しみやすいかもしれませんね。
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安倍禮爾 さん、 (narkejp)
2014-08-04 20:48:00
コメントありがとうございます。トスカニーニの場合ですか。Amazon で調べてみたら、「松→噴水→祭り」みたいですね。オーマンディ、ムーティなどと同じですね。オーソドックスなのは、このスタイルかもしれません。「祭り」のハチャメチャな大騒ぎを、どう受け止めるか、なのかもしれません。
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Unknown (親父りゅう)
2018-07-05 20:07:45
今ごろですが、ちょっと目に留まりましたので・・・失礼します。

三部作の順序は、実演では「松」をラストに持ってくるのがほぼ定石のようですね。
ちょっと前に聴いた中部フィルの松阪公演でも指揮者の藤岡さんが仰っていましたが、「尋常でない盛り上がり」が生じる曲とのことでした。
ディスクの場合、レコードでは面割りの関係で、中途で切りやすい(?)「祭」を真ん中に挟むのが多かった印象ですが、「祭」を録音しなかったアンセルメ、カラヤン、ライナー、「噴水」を録音しなかったバーンスタインなどは2曲を普通に両面に収めておりましたね、当たり前ですけど。
小澤盤はLP発売時にすぐ買ったのですが、CDとは順番が違ってたと思います。もう手元にないのですが、たしか「祭」から始まってたと記憶しています(確証なし)。
同じ;レコードでも海外と国内では順序を入れ替えてた場合もあるようで、それぞれに何がしかの意図があったのでしょうね。
CDでは、(収録順は)なんかどうでもいいみたいな印象を持ってしまうのは私だけでしょうか
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親父りゅう さん、 (narkejp)
2018-07-05 21:02:39
コメントありがとうございます。なるほど、LPレコードの場合は、A面とB面の割り振りの関係もありますか。LPと1枚に収まるCDでは、制約の度合いも違うかもしれませんね。
それに、実演では「松」がラストに来るというのが多く、たしかに定石になっているのかもしれません。どーんと盛り上がりますしね(^o^)/
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