電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

武器ではなく作物の品種を主要な題材としたタイムスリップものがあったら

2013年03月19日 06時01分10秒 | 読書
世の中には様々なタイムスリップものがあります。その中で、『戦国自衛隊』は、現代の武器燃料弾薬を持って戦国時代にタイムスリップする異色のSF物語でした。では、武器弾薬ではなく、作物の品種や栽培技術を持って、武士の時代にタイムスリップしたらどうなるのでしょうか?

衣服や風貌が異なる者たちは気味悪がられ、とりわけ武器を持たない場合は、異界の存在として排除され処刑されてしまうおそれがありますので、やはりその時代の聡明な人に存在価値を認めてもらう必要があるのでしょう。それには、例えばかなりの山間地に米を作る田んぼと野菜や果物を作る畑を想定し、山の中のためにしばらくの期間は発見されずにいる必要があります。そして、誰かが追手を逃れてくる。この人の危難と負傷を救っただけでなく、冷害による飢饉を逃れることができる品種の種もみを与えることで、村人との密かなつながりが出来ます。冷害のさなかの収穫に驚いた役人が役所に報告し、事態は急進展する。進言を取り入れて、来るべき大冷害の対策を進め、なんとか大飢饉を部分的に回避することができますが、当時の社会体制に由来するものは回避できません。むしろ、民主主義に基礎を置く現代の知恵は、武士の時代には両刃の刃となるのか?というようなストーリーです。

戦乱や殺戮のお話は、少々うんざりしています。たとえば大飢饉が来ることを知っている者が、たとえ蟷螂の斧であろうと、それを回避しようと奮闘するお話なら、ぜひ読んでみたいものです。

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