電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

万年筆のインク・カートリッジが普及した理由と現代

2013年03月23日 06時02分51秒 | 手帳文具書斎
かつて、万年筆のインク補給は、インクびんからコンバータへ吸入するやり方が一般的でした。手元にある万年筆では、ペリカン社の400Nが、このスタイルを守っています。ところが、大気圧などの関係で、コンバータのインク容量には限度があり、大量筆記をするためには、補充のためインクをびんごと持ち運ぶしかありませんでした。そこで、インクをカートリッジに入れて、スペア・カートリッジだけを持ち歩けば、いつでもインクの補充交換は可能だということで、カートリッジ式が普及したのだろうと思います。

ところが、時代は変わり、今や筆記具の主流はボールペンになりました。万年筆は、大量筆記の主役から外れ、インクのスペアを常に携帯する必要性は薄れてしまいました。むしろ、インクの量の面では不利ですが、様々な色のインクを選んで使うことができるという、コンバータ式のメリットが見直されてきています。

こうして見ると、カラフルな水性ペンやゲルインク・ボールペンと同様の感覚で、比較的廉価な万年筆を何本もそろえ、しかもコンバータで用いられるという風潮が理解できます。



そういえば、私が初めて使った万年筆は、中学生の頃に父親に買ってもらった、パイロットのものだったように記憶しています。製品名は忘れてしまいましたが、たしか屋根型のペン先で中くらいの軸長のタイプ、さらにカートリッジは小型のショートタイプだったように思います。今風に言えばヨーロッパタイプに近いものですが、あれはたしかプラチナかパイロット製品だったような。



残念ながら、高校受験の朝に落としてしまったらしく、紛失してしまいましたが、身代わりに落ちてくれたみたいで、本人は合格しておりました(^o^)/



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