goo blog サービス終了のお知らせ 

電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

アホ猫と伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』

2010年02月15日 06時15分34秒 | 読書
あのね、うちのご主人がね、最近、伊坂幸太郎さんっていう作家の小説を読んでいるようなのよ。おもしろいのが多いそうで、それはいいんだけど、こないだの『アヒルと鴨のコインロッカー』って、ひどい話じゃない?あたしたちネコ族にとっては、重大問題だわ。理由もなく猫をいたぶって殺しちゃうようなひどい人たちに、それをとがめた若者が脅されて、最後は車にひかれて死んじゃうっていうじゃない、そんなの、あたしたちにとっては、サイテーのお話よ。

「(警察に行くべきかな)」ドルジが口を開いた。
「(そうだね、でも)」と私は言葉を濁す。特に被害があったわけではなかった。「(そんなに大事じゃないよ)」言い聞かせるようにした。こんなの大したことじゃない。(p.171)

留学生のドルジ君と、仲良しの日本人の娘さんの会話だけど、ここが違うと思うわ~。あたしたちの仲間を殺しちゃう犯人でしょ、ここで警察に行かなかったら、いつ行くのよ!ぜ~ったいここが判断ミスだと思うわ~。

ご主人は、面白かったっていうけれど、若い人が、特にあたしたちをかわいがってくれそうな学生さんが、理由もなく死んでしまうお話は、切ないわよ。あたしのご主人は、被曝二世とかだそうで、日頃から意地でも長生きするって言ってるんだけど、作者の生と死を見る目が、ちょっと軽いように思えて、それがあたし的には気になるのよ~。

アホ猫が、クルミの脳みそでなにをエラそうなことを言ってるんだい。小説とね、現実とは違うの。そのくらい、覚えておけよ。一番いい席を取っちゃって、のうのうと寝てるくせに。ぷんぷん!
コメント (2)