評価 (3点/5点満点)
著者は1999年に41歳で当時の東証一部上場企業で最年少社長となってから15年間メイテックの社長を務め、数多くのエンジニアを送り出した西本甲介さん。
メイテックのエンジニアたちは、メイテックという会社の社員ではありますが、実際に働いているのは派遣先の企業です。見方を変えれば、数年ごとに転職を繰り返しているようなもの。そんな企業の枠を超えて働き続けている彼らのプロフェッショナルとしての生き方には、働き続けるためのヒントが数えきれないほどあります。
メイテックのエンジニアたちから学んだ、企業の枠を超えて生涯働き続けるためのヒントを、これから労働市場に出て行こうとしている皆さんや、会社という組織の中で成長を願う皆さん、転職を考えている皆さん、仕事人生の終盤を迎えた皆さん、それぞれにお伝えします。
働き続けることができるだろうか?という不安の時代の中で、仕事を通して成長する「機会と場」を得ることができれば、必ず成長することができる。成長することができれば、働き続けることができる。
本書には特別な言葉や魔法のような言葉はないと、西本さんは言います。大切なことは、時代や社会が変わっても変わらないことの方であり、当たり前のことを実践し、それを持続することです。本当の働き方改革は、そこから始まるのだと思います。
仕事の本質的な、最大公約数的な共通項を理解し身につけることが、企業の枠を超えて生涯働き続ける力になるということですね。
【my pick-up】
◎40代で折り返し点
70歳まで働くと考えると、新卒の22歳から働き始めたとして、生涯で48年間働く計算です。折り返し地点は46歳です。40歳そこそこなら、まだ生涯労働年数の半分も働いていないことになります。「なんだか、もうベテランみたいな顔をして働いているけれど、何か勘違いしていませんか。マラソンにたとえるなら、まだ折り返し地点にも辿り着いていませんよ。それなのに、いっぱしのベテラン気取りで、サラリーマン人生はこんなものだとしたり顔ですが、それであと半分走り続けられますか?」つい、そんなことを口にしてしまうのです。
40歳を過ぎたらベテランなどと勘違いしていては、すぐに頭は固まってしまいます。40歳はまだ若手というくらいの気持ちでいなければ、70歳まで働き続けることは難しいと思います。