厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
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2019年38冊目『なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか』

2018-11-16 21:27:53 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本では、「仕事を研究しよう」というマインドで日々の仕事を振り返り、深く考え、研究し、実践するという著者・田坂広志さんの経験を紹介しながら、仕事の高度な能力を身につけ、プロフェッショナルとして成長していくための技法について語ります。

なぜ、優秀な人ほど、成長が止まってしまうのか。そして、成長が止まっていることに気がついたならば、どうすればさらなる成長に向かっていけるのか。

その答えとして、次の「7つの壁」と「7つの技法」が用意されています。

1.学歴の壁(「優秀さ」の切り替えができない)→棚卸しの技法(「経験」から掴んだ「智恵」の棚卸しをする)

2.経験の壁(失敗を糧として「智恵」を掴めない)→反省の技法(「直後」と「深夜」の追体験を励行する)

3.感情の壁(感情に支配され他人の心が分からない)→心理推察の技法(会議では参加者の「心の動き」を深く読む)

4.我流の壁(「我流」に陥り優れた人物から学べない)→私淑の技法(「師」を見つけ同じ部屋の空気を吸う)

5.人格の壁(つねに「真面目」に仕事をしてしまう)→多重人格の技法(自分の中に「様々な自分」を育て使い分ける)

6.エゴの壁(自分の「エゴ」が見えていない)→自己観察の技法(「自分を見つめるもう一人の自分」を育てる)

7.他責の壁(失敗の原因を「外」に求めてしまう)→引き受けの技法(起こったトラブルの「意味」を深く考える)

特に、「自分は不可能だ」という「自己限定」の強い思い込みには注意が必要です。実は、「優秀な人」ほど、心の奥深くに「自己限定」の意識を抱えています。

「自分は学歴的能力はあるが、職業的能力は劣っているのではないか」「これ以上挑戦してもうまくいかないだろう」「自分はこうした自分だからこれ以上変われない」という意識に気づき、その抑圧から解放されれば、まだ眠っている能力が開花していくでしょう。

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2019年37冊目『マネジメント格差』

2018-11-16 21:20:24 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

・モノ探し、書類探し含め、不毛なことに時間やエネルギーを奪われている

・関係するほかの人の仕事が見えていない、あるいは相互に関わりのある他部署の仕事が見えていないので、職場内・職場間で利害の対立を起こし、組織力が発揮されていない

・過去に起きたミス、ほかの人やほかの部門が起こしたトラブルが共有化されておらず、再発を繰り返している

・職場のさまざまなムダや問題点は昔から共通認識がある(みんなわかりきっている)のに、いっこうに改善されない

これらの問題を生み出す真犯人が「マネジメント格差」です。

この本では、マネジメント格差を解消するキモとして、次の2つをあげています。

・個人のスキルや資質に頼らず「しくみ」化する

・しくみ化を進めると同時に、一人ひとりに働きかけ、行動改革や意識改革を促す

マネジメントとは、組織を動かして成果を上げること。マネジメント格差という根深い問題に立ち向かうためには、what(課題)に着目する必要があります。

まずは、探すムダ、確認のムダ、手戻りのムダを省いて、動きを働きに変える、物と仕事の整理・整頓です。ムダを排除しながら、標準化のための訓練を積むことが、マネジメントできる強い組織を作ります。

そして、組織の業績の格差は、質の高い管理サイクル(PDCA)をいかに速く回せるかどうかの違いで生まれます。そして、最後の関門は、抵抗勢力への対処です。

経営層や管理者がマネジメントを機能させる動機やきっかけをつくり、従業員の不条理な苦しみを定着させないようにしないといけませんね。

【my pick-up】

◎抵抗勢力を嘆く前にマネジメントができる努力はある

抵抗勢力を生む温床になるのが、標準化がされていない職場環境です。必要なものが必要な時に取り出せないイライラ。業務のやり方がよくわからないイライラ。目的、目標、課題などがよくわからないイライラ。こうしたイライラのために、最初は意気揚々と入社した人たちも、段々と組織に関心を持たなくなり、一体感を失い、抵抗勢力へと変貌していくのです。だからこそ、モノを探すイライラをなくす整理・整頓や、業務の不明確さによるイライラをなくす業務マニュアルなどの標準化が、多様な人材を束ねるためには有効な手段になるのです。

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2019年36冊目『財務経営力の強化書』

2018-11-16 21:10:32 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本では、今すぐ使え経営に役立つ、財務・会計の知識だけでなく、中小企業政策の現状や資金調達のために活用できるノウハウも数多く紹介しています。

・業績が悪化したり、倒産しかかったりした企業の共通的な特徴の1つとして、会計がデタラメ。

・会計のデタラメさが企業の「見える化」を阻害し、日常の「気づき」も得られない。

・「見える化」の最良の道具として財務・会計を使いこなす。

本書は特に、金融庁の方針の転換により、融資姿勢も財務数値だけに頼ることなく、事業性を評価する方向に変わってきていることに注目。事業性評価の一手法であるローカルベンチマークや決算書の信頼性向上のための具体策にも言及し、財務経営力を高め、資金調達力を強化するために、経営者はどのように行動すべきかについて詳述しています。

ちなみに、2012年に中小企業経営力強化支援法が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う「経営革新等支援機関」として認定された税理士、税理士法人、公認会計士等は30,341機関(2018年8月現在)にのぼります。

財務経営力で適切な経営判断を行い、資金調達力で信用力を増強する。

会計のプロのノウハウが、わかりやすい表現で習得できますよ。

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2019年35冊目『自分のために働く』

2018-11-11 00:05:08 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

2018年6月までNTTデータの社長をつとめていた岩本敏男さんが、驚異的な速さで進む技術進化と、グローバリゼーションの進展の時代に必要な、「自分のために働く」ということについて述べています。

会社のためでも、誰かのためでも、そしてもちろん私利私欲に駆られるのでもなく、確固たる自分の軸を持って、なすべきことをなす。その足取りが確かなものなら、自分を取り巻くステークホルダーにも価値をもたらし、信頼されるプロフェッショナルとなる。「自分のために働く」ことは、世の中に価値をもたらし、その結果、仕事に費やすあなたの多くの時間を豊かなものにしてくれるのだ。(P.255)

多くの人にとって、「働く」と「生きる」の2つは、重なる部分がとても大きいもの。私たちは人生の多くの時間を仕事と向き合っているのも事実です。

であれば、その時間をより充実させ、心満たされる働き方をしたほうがいいに決まっています。本書の「自分のために働く」ことは、そのヒントとなるでしょう。

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2019年34冊目『朝8時までの習慣で人生は9割変わる』

2018-11-10 23:18:09 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

早起きを習慣化して、「朝8時までの時間の使い方」を変えれば、人生は必ず変えられる。

著者の市川清太郎さんは、現役のサラリーマンでありながら、副業で11社の経営に携わっていますが、「副業の会社経営」と「本業の仕事の段取り」を朝8時までに全て片づけているそうです。

この本では、時間とお金の問題を解決する「早起きの習慣」と「朝8時までの時間の有効活用」について述べています。

・たとえ30分でも、朝の時間を有効活用できるようになると、「30分では全然物足りない」と感じるようになる。

・早起きを習慣化させるためのポイントは、「早起きをせずにはいられない」という状況を作ること。

合わせて、朝の時間を活用して自分のビジネスを構築すること、つまり副業を始めることをオススメしています。「お金には困っていないので、クビにするならいつでもどうぞ」と言える態勢を整えておくのです。

自己啓発書の要点は、「いかに今の自分を壊すか」に収れんされるのではないでしょうか。朝8までの習慣を変えれば、今の自分が壊れます。

また本書では、編集者の太字とは別に、著者が「この部分をもっと強調したい」と感じた部分に関して、網掛けを引き、「著者・市川の視点」という形で欄外にコメントを加えている点もユニークです。

【my pick-up】

◎なぜ、朝が重要なのか?

私が朝の時間帯を重視する理由は、基本的にたった1つです。それは、「朝の時間帯が最も効率が良い」からです。現在の私の出社時間は朝7時半ですが、子供が生まれるまでは、始発の電車に乗り、誰よりも早く出社することを日課にしていました。その中で、1つ気づいたことがあります。それは、役職の高い人や仕事ができる人ほど、朝早く出社してくるということです。これはどの会社でも、ほぼ例外はありません。あるコンサルタントの方は、「社員の出社時間が遅い会社は、いくら熱心に指導をしても良くならない」と答え、永守さん(日本電産社長)は「社員の出社時間」と「仕事の結果」との相関関係を調べると、出社時間が遅い社員は総じて成績が良くないことがわかったそうです。永守さんは「2時間残業をする人よりも、朝30分早く出社する人を重視する」と、日頃から社員に言い聞かせるようにしたそうです。

「朝30分の仕事」と「夜2時間の仕事」は、そもそも「仕事の質」が全く異なります。なぜ、早起きして、パートナーにメールで指示を出すのでしょうか?それは、パートナーに朝一番から、効率良く動いてほしいからです。寝ている間に状況が一変しているということも、十分に考えられます。リアルタイムで的確な指示を出したいのであれば、朝早起きをする以外に方法はない。

◎「早起き習慣」を定着させるテクニック

最近の研究で「太陽の光、つまり明暗のリズムよりも、食事のリズムの方が、体内時計に与える影響が大きい」ということがわかってきたそうです。「食べない時間が一番長いところ」で、体内時計がリセットされます。「食べない時間」が一番長いのが、昼食と夕食の間の11時間になる場合、夕食を食べた瞬間に体内時計がリセットされます。夜、体内時計がリセットされるということは、体にとっては、夜の時間帯に朝がスタートしてしまうということです。これだと、本来休むべき時間帯に体を休めることができなくなり、いくら寝ても倦怠感や疲労感が残ることになってしまいます。また、朝食を欠かせば、体内時計の調節がうまくいかなくなってしまいます。

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