ランニング・プランニング―走ればアイデアは勝手にあふれだす 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2012-10-23 |
評価 (3点/5点満点)
この本は、走ってアイデアを出すための本、走ると勝手にアイデアがあふれてきてしまう体質にするための本です。
「きちんと走れば、誰でもアイデアは勝手にあふれてくる」
25年以上プランニングを仕事にし、5年以上毎日ランニングしてきた著者のおちまさとさんが、ランニングとプランニングの深い関係、さらにランニングはプランニングそのものであることが書き綴られています。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせとよく言いますが、アイデアを生み出すためには既存の要素をたくさん頭に取り入れることが必要です。走っていると驚くほど多くのことに気づき、気づきがどんどん蓄積し、気づきと気づきが融合する瞬間(=ひらめき)が頻繁に訪れるのです。
私も週6日、毎回10kmのランニングを始めて4年半。▲20kgの減量・体脂肪率1ケタの実現と合わせ、本書で挙げられている仕事への好影響を実感しています。また、運動が脳を鍛え活性化させることは、科学的にも証明されているところです。
【my pick-up】
◎ランニングとは自分をプロデュースすること
ランニングを〝習慣化〟するために必要なのは、プロデュースする能力です。自分の性格をしっかり分析し、「どうしたら長続きするか?」という〝戦略〟を立てることが重要なのです。これは、企画を立案するときとまったく一緒。
自分というターゲットの性格に応じて、「いつ走るか」「どこで走るか」「どれくらい走るか」「どうやったら楽しく走れるか」といったことを戦略的に決定しなければなりません。ですから、ランニングを始めたものの、長続きしないで挫折してしまったという人は、厳しい言い方をすれば自分自身に対するプロデュース感覚が欠如していたということになるわけです。
◎偏った心身のバランスも走れば矯正される
1つの仕事を何年も続けていれば、行動も思考もパターン化して、心身のバランスに偏りが出るのは避けられないこと。「だからこそ走れ!」と、僕は言いたいのです。
ランニングは、見た目には単純な動作の連続です。とはいえ、全身の筋肉を使うし、脳もフル回転します。普段、オフィスでは滅多に使わない体と脳の機能が、ランニング中は総動員されているのです。
◎〝会社脳〟では気づけない
「気づくために走れ」という提案を、僕が一番届けたいと思っているのが、ビジネス・パーソンたちです。とりわけ、デスクワークが日常になっている人ほど、ランニングでひらめく効果を実感できるに違いないと僕は思っています。
一定の作業に特化したビジネス・パーソンの思考を、僕は〝会社脳〟と呼んでいますが、会社脳のデメリットは「気づけなくなること」なのです。
会社脳から抜け出す方法として、手っ取り早くて効果的な方法が「会社を飛び出し、走ってみる」ことなのです。
◎非日常のコースは脳を刺激する
ときには、普段まったく走らない場所で走ってみましょう。たとえば、出張先や旅行先などです。
僕は出張の荷物の中に、ウェア一式とシューズを入れ、「どんなところなのかな?」「どんなふうに走ろうかな?」などと考えるだけでワクワクしてきます。そして、実際に現地を走ってみると、いつもとは違う新鮮な感じを受け、気分がリフレッシュし、走ることの楽しさを改めて感じます。また、その街の様子をリアルに知ることで、「あそこに大きなビルが建っていますね」などと、出張先の人との会話のきっかけにすることもできます。
◎マラソンには「答え」がある
かつては、「健康のためにジョギングでも始めようか」といった理由で走り始める人が多かったと思うのですが、いまは〝レース〟という競技に日本人の興味が向けられているのです。
マラソンというレースの場では、自分の実力や努力に対する〝答え〟が、ゴールした瞬間にタイムとなってもたらされるのです。
答えのない時代に、自分の生身の肉体をフルに使って、自分だけの答えをつかみに行こうとしている気持ちが、いまのマラソン・ブームを反映しているのではないだろうか-。
◎企画会議を成功させるセオリー
ネガティブな発言をする人間がいる場合は、「では、どうすればクリアできるだろう?」と、否定的な意見に対する解決策を、否定した本人に考えさせるように仕向けるのです。
否定する以上は、「それに代わる案を出す」という責任を感じさせれば、相手は「前向きな方法を考える」か、「否定的なことは言わなくなる」かの、二者択一を迫られるのです。