評価 (3点/5点満点)
子どもの頃から協調性がなく、大勢と関わることも話すこともあまり好きではない。今になってもあまり変わらない。ただ、どの組織でも必ずトップの成績を挙げてきた。
本書は、そんな著者のこれまでの生き方、特にビジネスにおける哲学をまとめたものです。
「話さなくても結果は出せる」というのが、私の経験から言える率直な意見である。私は、話すこと自体は苦手ではない。かといって、好きなほうではないし、口がうまいなどとは一切思ったことがない。実際に、会社の中でも必要最低限なこと以外は話さないし、お客様とのやり取りもほとんどがメール、会社の電話線も引っこ抜いていた。むしろ、直接話さないメールでのコミュニケーションこそ〝波〟は小さく、結論まで真っすぐ進める確率が高い。その代わり、数をこなして時間をかけることが大切になるが。
本当に細かいところまでメールでやり取りを詰めて、お互いに確認をしているから、お客様も迷いや不安がない。数を積み重ねることで、特別大した内容ではなくても信頼関係が生まれる。お客様も、私自身も、お互いのことを知った気になる。(P.72~73)
ここぞというタイミングに、私はよく電話を使った。普段ほとんど電話を使わないこともあり、一本の電話の重みが違う。「メールしかしないあの人が急に電話をしてきた。これは大事な用件かもしれない」とお客様の意識にも変化が表れる。お客様のリズムがガラリと変わり、一気にリズムが早まるのである。(P.150)
本書のタイトル『無言力 会話のない究極の力』の真意は、上記の個所に表れています。
考えることから全ては始まります。とにかく考えることで、目的を達成する確率は高まるのです。考えることが最大の武器。
協調性がなくても、話ことが苦手でも、マイナスを補う力、考える力は誰しも必ず持っているもの。
話すことが苦手、コミュニケーションが苦手、就職をしても行き詰っている、仕事をする理由がわからない、仕事を辞めたい・・・そんな苦手を抱える20代、30代の若い人たちに役立ててほしいと思います。
【my pick-up】
◎苦労はするものではない
失敗したからといって、次に成功するとは限らない。次も失敗するかもしれない。失敗した分だけ成功する確率が高くなるわけでもない。なので、苦労も失敗も、避けられるならするものではない。しないほうがいい。失敗話や苦労話は、自分の引き出しやリスクヘッジの選択肢を広げる意味でありがたく聞いておく。他人の失敗から学べばそれで十分。敢えて自分で苦労する必要も失敗する必要もない。
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