評価 (4点/5点満点)
この本で伝えている時短術は、仕事にかかる時間を短縮し、皆さんの人生をよりよくするための時間を作り出すのと同時に、仕事の成果を上げるためのものです。
著者の原マサヒコさんに時短の考え方のベースを叩き込んでくれたのは、最初に入社したトヨタの販売店である神奈川トヨタ自動車だったそうです。そして、今でもそのときの考え方を元にしながら仕事を続けているとのこと。
本書では、その経験を活かし、製造現場だけでなくどんな仕事をしている人にもトヨタのノウハウを取り入れることができるよう、アレンジしてお伝えします。
仕事を劇的に速くするトヨタの5つの言葉
「目的は何か?と考えろ」「頑張ることは汗を多くかくことではない」「自分がやっていることは正しいという気持ちを捨てろ」「もっとラクになる方法はないのだろうか?」「時間は動作の影である」
時短を加速する5つのカイゼンマインド
「自働化」「多能工」「どうしたらできるのかを考える」「なぜ成功したのかを考える」「ベンチマーキング」
「時間がない」というのは「自己管理を怠っている」ということの裏返し。時間は自分でつくり出すものです。
【my pick-up】
◎「見える化」で仕事全体のスピードを底上げする
私がホワイトカラーに転身して仕事をし始めた際、最初にトヨタのやり方を採り入れたのが、「今日の何時までに何をするか」といったTODOリストまですべてを見える化し、優先順位を決めながらグループウェアに書き込むことでした。そうすることで、上司は私の行動をひと目で確認できるようになります。そうすれば、上司の仕事もラクになりますし、いちいち進捗を聞かれなくてすむので、私自身も仕事を中断されることが減り、効率が上がります。また、優先順位を考えながら実際にタスクを書き出すと、自分の頭の中が整理され、やるべきことが明確になり集中力も高まります。結果的に仕事が速くなるのです。さらに、これをやるようになってから、私のTODOリストを見かけた先輩が「その作業、やったことがあるから手順書送るよ」などとアドバイスをしてくれたりと、多くのメリットもありました。また私は、仕事のアポイントを書き込むだけでなく、「休暇」のアポイントも高めの優先順位で入れていました。これも実際にトヨタの現場でよくやっていたことでした。
◎仕事に「完璧主義」は必要ない
年収の低い人は「正確さ」を重視し、年収の高い人は「段取り・成果」を重視する。安心して仕事を任せられる部下、信頼できる部下というのは、「正確性を重視する人」ではなく、「速く動く人」であるといえます。たとえば、何かを決めなければいけないときには準備すべき内容を先に考えるのではなく、まず日程を先に決めてしまう。準備の次に行動するのではなく、まず行動なのです。
◎会議では代案がないなら反対するな
トヨタには「代案もないのに反対するんじゃない」という言葉があります。誰かの意見に反対するだけなら小学生でもできます。会議では一方向ではなく、さまざまな方向からの視点も必要になりますから、反対意見を出す必要はあります。ただ、それだけで終わると何も生まれませんから、反対意見と合わせて最善だと思う代案をだしましょうということです。「代案」といっても、しっかりしたものでなくてもかまいません。まずは、たくさんの意見を発散させ、そこからどれがいいかを選んで収束させていく。この‘発散→収束’の流れが「いい会議」のポイントです。あなたがファシリテーターではなかったとしても、会議に参加する際には、「この会議は今どのフェーズにあるのか」を意識しながら、適切に意見を出していきましょう。
◎仕事の指示を出す場合には必ず「背景」を一緒に伝える
「背景」というのは主に3つで、「その仕事のも目的」「その仕事の重要性」「その人に頼む理由」です。
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