評価 (3点/5点満点)
この本では、「ミドル人材の活躍推進」にいち早く着手した企業の先進事例を紹介しながら、そのノウハウを読者と共有していきます。
日本企業における「働かないおじさん」問題は、コロナ前からずっと言われてきたことですが、コロナ後に働かないおじさんは、さらに存在感がなくなってしまったのではないでしょうか。
「働かないおじさん」は、年齢や性別の問題ではなく、「変化に対応できない人」の総称でもあります。奇しくもコロナは「テレワーク」「ニューノーマル」といった働き方や暮らし方に対応できるかどうかを通じて、「変化できる人」と「変化に対応できない人」を見分けるリトマス試験紙になりました。
変化を拒む層は「同質性の塊」で、最大のリスクは「集団的浅慮」(集団が個人の総和よりもレベルの低い意思決定をしてしまう)が起きることです。
日本企業で頑張れば頑張るほど「社内に特化した人材」になってしまう。ミドルシニア自身の行動や意識改革ももちろんですが、会社がおじさんたちの行動を変える仕組みや仕掛けを用意すれば、そこにはまだまだ伸びしろがあるはずです。
「日本は残念なことがある。会議室に行くといるのは銀髪の男性幹部ばかりだ」
(アリババの創業者、ジャック・マー)
企業の経営者や人事は本書を参考に、社内のミドルシニアを変化に対応できる人材にする方法を真剣に考えて頂きたいと思います。
【my pick-up】
◎家に居場所がないおじさんに在宅勤務は難しい(働き方改革に取り組む担当者の座談会より)
私の会社は在宅勤務を取り入れていますが、中高年の男性はなかなかやりませんね。おそらく家にいると奥さんに邪魔者扱いされるといった理由だと思いますが、もったいないと思います。
リモートは食わず嫌いが多いんです。おじさんに在宅勤務を強制するのは難しいですね。だから自宅以外のコワーキングスペースを会社が用意することも必要です。
実際にやってみたら「すごく効率が良かった」と言っていました。だから一度体験してみれば、おじさんもメリットがわかるし、新しい仕組みを使うようになると思うんです。
うちの会社でもリモートワークを推進中ですが、新たな課題になっているのが遠隔でのコミュニケーションに対するリテラシーの低さ。メールやチャットで効率的にコミュニケーションする方法がわからないんです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます