評価 (4点/5点満点)
この本には会社や組織に属していても、〝独り立ち〟して成果を出す方法が詰め込まれています。
タイトルにもなっている「独立思考」とは、組織に依存せず、前例や慣習にとらわれず、自分の頭で考えたアイデアを行動に移し、仲間と適切にコミュニケーションを取り、成果を最大化する働き方を意味します。
つまり、本当の意味での独立です。
・独立思考の3原則:「疑え!」「現場で!」「シンプルに!」
・独立思考の3つのマインド:「口2耳8」「数値結果こそ正義」「ひねくれろ」
自分の人生は自分でなんとかする。
いつ皆さんの会社が倒産してもおかしくない時代の備えに本書を活用してください。
【my pick-up】
◎結果だけで評価される時代
極端な話、寝転んでテレビを観ていようが、自分の仕事で成果を出していればそれでも構いません。むしろ、融通の利かない生真面目な方よりも「楽に成果を出す」という発想の方が、今後は重宝されます。
◎「人に聞く」が考える力を奪っている
頻繁かつ安易に「他人に聞く」行為は、多くの場合「独立思考」にとって有害となります。情報収集を除いて自分自身のアイデアを思いつくまで、決して他人に聞かないようにしてみてください。自分で何かを思いついたときだけ、他人に相談し、アイデアに対する感想や意見を求めるようにしてみましょう。
◎「意見の対立」を怖がるな
他人と意見が一致しない場合でも、自分のアイデアを大事にするべきで、いつも他人と一緒である必要はありません。「自分なりの正義」をますは信じてみてください。誰にも忖度せず、堂々と自分の信じる意見を述べるだけでも、昨日までと世界が違って見えてくるはずです。
◎グラフで変化点に気づかせる
自分の思考を要約して、相手にシンプルに伝えたいときは、グラフを活用して資料を作りましょう。とくに時系列で確認できる事象やテーマに関しては、すべてグラフ化することをおすすめします。表とグラフの差に「変化点の気づきやすさ」があります。
◎最も足を引っ張っているものを特定する
問題設定の初期段階で粒度を細かくすることに意味があります。問題そのものを具体的な状態にしてから、さらに真因を探すようにしましょう。一方で、理由を絞り込まずに大雑把な問題設定をしていると、真因はなかなか1つに絞り込めません。真因を特定するには、〝慣れ〟という名のセンスが要るのかもしれません。真因を模索するセンスは理由の絞り込みを繰り返す中で身につけることができます。
◎「やらなくてもいい仕事」はある
「どの仕事が社会や会社にとって、あるいは自分にとって最も有意義な仕事なのか」の優先順位を見極めてから仕事に取り組みましょう。実はやらなくても誰も困らない仕事はあふれかえっています。やらなくても誰も困らない、誰も喜ばない、要らない仕事は社会にとって有益ではありませんから、そういったNO VALUE WORKを瞬時に見極められる独立思考者が増えることを切に望みます。
◎迷ったら「思考の幹」に戻れ
「枝の枝の枝」から考え始めてしまうケースが少なくありません。仕事になると「何のためにそれをやるのか」という「幹」の部分を見失っている人が多くなっています。つまり、本質的には仕事の目的を理解できていない状態が露呈されてしまっています。この幹さえ狂わなければ、後は枝の議論を進めていく作業になります。幹の設定はシンプルさを左右します。