評価 
（3点/5点満点）
著者の印南敦史さんは現在、書評家として「ライフハッカー日本版」「ニューズウィーク日本版」など複数の情報サイトに月60本近くのブックレビュー記事を寄稿しています。つまり1か月に読む本の数は実質60冊以上ですが、以前はかなりの「遅読家」だったそうです。
この本は、そんな印南さんの経験による「本を読むのが苦手だった人間が、それを克服した方法」を紹介します。
スマホの影響で、ほとんどの人が真剣に読まない習慣をここ数年で身につけている状況の中、本を読むという行為についての発想を転換し、どんな人にも1日1冊ペースで本を読むための素地をつくります。
・その本に書かれた内容が、自分の内部を流れていくことに価値を見出す読書法＝「フロー・リーディング」。（P.44）
・できれば本は1日1冊で読み切るのが理想的。本書の1つのゴールは、週6冊、月25冊、年間300冊という多読生活の状態。（P.62、149）
・深い読書効果を得る、引用しながら本を読む「1ライン・サンプリング」。（P.81）
・本がなくても生きていけるが、やっぱり本がある生活のほうが、ない生活よりはずっと楽しい。（P.196）
学生時代に身につけてしまった「きちんと読まないといけない」という呪縛を卒業し、社会人はビジネススキルの向上、趣味・楽しみ、ストレス解消などなど様々な目的に合わせて自由に読み方を変えていいと思います。本書はその発想の転換を手助けしてくれるでしょう。
