厳選!ビジネス書 今年の200冊

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今年35冊目『打たれ強い人になる』

2011-02-06 00:55:05 | おすすめビジネス書
打たれ強い人になる―ここ一番でへこたれない生き方 (中公新書ラクレ) 打たれ強い人になる―ここ一番でへこたれない生き方 (中公新書ラクレ)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2010-12

評価  (4点/5点満点)

東海大学医学部教授(精神医学)の保坂隆さんが、「打たれ強い」人になるために、さまざまなシーンや状況を想定し、その場で最善の方法は何なのか、その人のタイプによってどういった対応や考え方をするのがいちばんよいのかを、実例を交えながら紹介します。

本当の意味で打たれ強い人というのは、頑固一徹とは正反対で、柔軟性に優れています。柔軟性のある人というのは、その場その場の状況に合わせて、自分がどうしたらいちばんよいのかを考え、それに対応できる人なのです。

特に日本人が本書で言う打たれ強い人になるためには、周りを気にしないでもっと自分に目をむけ、ある意味割り切って物事を捉える必要があると読後に感じました。

どんなに会社や上司のために働いても、一生すべてを支えてくれる訳ではありませんし、ストレスなどで体を壊しては元も子もありませんからね。

【my pick-up】

◎「さぼり」はストレスの妙薬と考える

人がやっていることが、自分にとっても正しいという根拠はどこにもない。人が何をしていようと、自分はこうするという姿勢をもっと持ったほうがいい。

「私は今日、ゆっくり休むぞ。他の人は他の人」と開き直ればいいのだ。たったそれだけのことで、つまらないストレスや不必要なストレスを感じなくなる。

◎孤立を恐れず、楽しんでしまう

考えてみれば、孤立するというのは、周囲が特別な感情を自分に抱いているということ。むしろ、群れるしかない人たちを尻目に、堂々と孤立を貫き、それを楽しんでしまえばいい。

ランチだっていつもの仲間といつもの店ですませるより、ちょっとリッチな店で優雅に楽しんだほうがリラックスした気分にひたれるだろう。仕事が終わってからも、見飽きた顔の同僚と愚痴をいい合うより、1人で映画を見たり、静かにホテルのバーにでも行ってグラスを傾けたほうが、ずっとリフレッシュできることもある。

行動パターンを「孤立を楽しむ」という型に変えると、気持ちがぐっと楽になる。「1人ぼっちになった」と考えるのではなく、「やっと1人になれた」と思えば、ネガティブにならずにすむだろう。そうなったら、生活そのものにメリハリがつく。

◎自分の本音から目をそらさない

考えてみると、他人の評価はかなり勝手で曖昧なものだ。こちらがストレスを感じてまで、演じる意味などないのでないか。自分がしたいことは何か、したくないことは何なのかをそのときどきで明確にしておいたほうがいい。

他人の期待に応えようとして、〝残業を厭わない自分〟を演じるのと、自分の本音をきちんと見据えながら、組織の一員として残業という指示に応じるのとでは、まるで意味が違うのである。

◎「忘れる力」は打たれ強さには不可欠なもの

打たれ強い人は、忘れる力をしっかり備えているという点で共通している。

つらい記憶がよみがえってくる余地を与えないよう、とにかく何かに集中しよう。短い時間でも、集中によって「それを忘れる」というノウハウを持っていることが強みなのである。

◎ウマの合わない人とつき合うにはコツがある

ウマが合わない人とは必要最小限の接触にとどめておけばいい。

相手と合わせようとするからストレスも大きくなる。ということは、ある程度距離を置いてしまえば、ストレスは最小限にとどめられるのではないか。

◎「NO」と言える勇気を持とう

自分が思っているほど、相手は誘いを断られたことを気にしてはいない。

「あの人は「NO」をいわないから、何でも頼みやすいし、誘いやすい」

相手にそう思わせてしまうと、身動きがとれなくなる。気のすすまない誘いはきちんと断って、自分の時間は自分でつくるようにしたいものだ。

◎苦手な相手とのつき合いは、ほどほどがいい

組織というのは個性も性格もバラバラな人間の集まりである。だから、相性が悪い人間がいても当然なのだ。

会社での人間関係は、あくまで一緒に仕事をするためのもの。仕事に支障さえなければ、どんな関係だって文句をいわれる筋合いはない。

苦手と感じていながら、自分を抑えて相手に近づき、何とかつき合いを深めようと考える必要はどこにもない。苦手な相手とのつき合いは、〝ほどほど〟の範囲を越えないのがいのである。

◎反省で1日を終わらせるのはよくない

反省すべきはきちんと反省するのが、ビジネスマンの基本であることに異論はない。だが、反省で1日を終わらせるのは感心しない。反省で1日を終わらせると、ミスや失敗がいつまでも脳に残るようになるのである。

そこで、反省は翌朝に先送りすることをすすめたい。何があっても、その日は気持ちよく終わらせるのだ。

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