500円で懐かしの洋画のDVDが出回り始めた数年前から、私はいつか懐かしい邦画の出回る日もあることを期待して待っていた。
しかして500円ではなくて1000円となったが、小津安次郎、溝口健二、今井正監督などの文芸物の懐かしの邦画が出て来て、あらためて時代を越えてなお美しい原節子の姿に感動をしているが、私の待っているのは女優さんではなくて、子どもの頃のヒーローの鞍馬天狗だった。
鞍馬天狗、右門捕物帳のアラカンこと嵐寛寿郎に会いたいのだった。
やがてDVD屋さんに大河内伝次郎の「丹下左膳」、阪東妻三郎、市川右太衛門、片岡千恵蔵など時代劇が出て来た。
ここまでくればアラカンまでの道のりは遠くはあるまいと期待が膨らむ。
そして、先週ついに池袋駅構内の売店でアラカンが演じる「池田屋騒動」「竜虎の決戦」などを発見!
小学生から中学生の時代に大好きだったアラカン映画だが、そのタイトルには記憶がない。
製作年代をみると私が15歳頃からの映画で、その頃から私の映画の興味は時代劇から洋画に移っていて、今回見つけたアラカン映画はその後の物だった。
買って来た「池田屋騒動」はアラカンが珍しく新撰組の近藤勇を演じている映画で、一方「竜虎の決戦」ではアラカンは桂小五郎となって、大河内伝次郎の近藤勇と対決するというちょっと二本続けて観るには抵抗感があるが、ま、アラカンなら何でもアリでいい。
映画そのものは他愛もないチャンバラで、ストーリーも日光の手前(いまいち)で薄っぺらな内容だったが、アゴを引いて語る重厚な台詞まわし、華麗な立回りで子どもの頃に見たアラカンがそこにいた。
やっぱりアラカンは、えーなぁ! アラカンにはしびれるなぁ!
久しぶりのアラカンにしびれたが、やっぱりアラカンの鞍馬天狗と右門が見たい!
もっとも、別の役者のTV版の右門捕物帳シリーズはすでに発売されているが、私は右門捕物帳のストーリーに興味があるのではなく、アラカンの右門にしびれたいのだ。
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