写真は復刻版の「少年王者」と孫が煮たツクシ
「少年王者のクスリだね」
春休みで遊びに来ていた孫がツクシのハカマを取りながらそう言った。
順序を追って説明をしないとわからない話だが、春休みで我が家に泊まりに来ていた孫たちに昨夜は寝る前に「少年王者」を読み聞かせてやっていた。
「少年王者」というのは今から60年程前に、私たちの世代が胸を踊らせた「おもしろブック」(集英社)という少年雑誌に連載されていた山川惣治氏の絵物語で、簡単に言えば和製ターザンである。
*この<和製>という言葉自体がほとんど死語に近いが・・・。
その物語の導入部分は、伝道師としてアフリカの奥地でキリスト教の布教に努める傍ら、現地人の病気の治療にあたっていた後に少年王者となる慎吾の父親が難病の特効薬を発見して・・・・というもので、その特効薬というのが、緑色の石の粉末だった。
そして次の日は女房がツクシを煮て食べさせたところ、4月から2年生になる孫が妙に気に入ってしまって、ママへのお土産にしたいから自分で作りたいと言い出し、またツクシ摘みから始まりハカマを取っているときに、もうほうけてしまったツクシの緑色の胞子がハカマの隙間に溜っているのを見つけて、少年王者のクスリを連想したという次第だった。
私の読んでやった本は60年前の物ではなく、30年ほど前に復刻版として発行されたもので、当時はまだ幼かった息子や娘に読み聞かせたものだったが、それにしてもツクシの煮物といい、少年王者といい古いものの好きなジジとババである。
しかし、それを無理矢理押し付けているわけではなく、孫たちが受け入れてくれるから嬉しくなってまた孫を楽しませる何かを考えようと思う。
そして、最初は3日ばかり我が家で遊んで帰るつもりだった孫たちは、結局1週間もいて今日帰って行った。
明日は名古屋の高校時代のクラス会が熱海である。
孫の子守りで少し疲れた爺さんも、気分は18歳になってリラックスをしてこよう。