先日海老名市の某所で目の前を何か甲虫が飛んでいった。
一瞬の出来事だったが、残像に残った甲虫の姿は60年くらい前の記憶をたどらねば呼び起こせなかった玉虫だった。
手を伸ばしてみたがむろん捕まえられなかった。
玉虫の行方を目で追ったが、高い木の茂みに消えていった。
ナマの玉虫を最後に見たのは私が少年の頃以来だから60年ぶりのことだ。
まだ戦後の焼け跡があちこちに点在する頃の名古屋市内のお寺の本堂の焼け跡に一本の大きなポプラの木があり、その木に玉虫が時折姿を見せていた。
もーさんにも子どもの頃ってあったの?
そりゃぁ私だっていきなりお爺さんでこの世に現れたのではなく少年時代も幼児期もあったわい!
今日、畑の一角でまた一匹の甲虫が目の前に飛んできて、伸びきったアスパラの茎に止まり、茎のテッペン近くまで登って再びどこかへ飛んでいった。
今度はカミキリムシだった。
カミキリムシはセミのように毎日見られるというほどではないが、まだそれほど珍しい存在ではない。