日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

学校近くの路地では、いつもと違った光景が見られます。

2020-04-08 09:14:20 | 日本語学校

晴れ。

今朝は青空です。草花は少しずつ春から夏の装いに変わり、木々は緑を増しています。

今朝、駅へ向かう人の流れは、随分少ないような気がします。この2,3日、向かいの子供たちが、男親とキャッチボールをしている様子に、思わず、よかったね。つい、最近まで、毎朝のように、ギャーギャーと大声で泣いていた赤ん坊が、もうキャッチボールができるほどに大きくなっていたとは。こんなことでもない限り、気がつかなかったでしょうね。

最近は、電車利用のスタッフが時間差出勤で、二時間ほど遅く出てくるので、この近くに住んでいる2人だけが、学生が来る前に来ています。学生が来ると言いましても、自習のためなのですが。アルバイトが暇になった学生(そうでなくても、週に金土日だけ働くことにしている学生)や、国で勉強する習慣がついている学生は、ちょくちょくやって来ますね。

在日の若い2人は、毎日来ることで、勉強の習慣をつけさせようとしていたのですが、一人が昨日の(高校の)入学式に参加して来られなかったら、残りの一人が早速、「もう、飽きた。帰りたい」と言いに来ました。昼ご飯を食べたばかりなのに。学校にいるだけでも、彼女のためになると思って来させているのですが、彼等の国の習慣から言うとそれはどうも「修行」に近いものになるようで、だんだん耐えきれなくなってきたようです。

昨日は、7月に「N1」と「N2」を受けたいという「Aクラス」の二人が「読解」の勉強を始めたので、ややこしいことに、3人の相手を同時進行のような形ですることになりました。2,3時間ほどのあいだだけでしたが。

一人に『初級Ⅰ』の後半の読み物を読ませてみると、勝手に読み飛ばすところがあり、また発音の問題もあり、「いったい何なんだ」。意味を確認して、問題をやらせてみると、「『問』の意味が判らないと言う。多分、「一単語」に一つの意味でしか理解していなかったからでしょうね。「○○の働きを書いている箇所を探せ」くらいのものだったのですが。

「働き」は「働く」であり、「働く」は「仕事をする」である。ここまでは思い出しました。でも、それだけでは、答えは出せません。この意味から類推して派出した意味を探るというのは、なかなか難しいことのようで、特に本を読むという習慣がそれほどないであろうと思われる国から来た人にとっては。

で、「耳の働き」と言って、「聞きます」とやって、次ぎに「『目の働き』は?」、と聞くと「ああ」と言って「見ます」と答える。「では、『口の働き』は?」、すると、「N2」の「読解問題」を解いていた学生が、笑い出して「食べます」。彼女は負けじと「言います」。で、「さあ、1人で問題を解いてごらん」。

そうやっている間にも、「N1」の学生が、「この『問』の選択肢はみんな正しいと思える。どこが違うのか」。で、文章を読んだり、選択肢の文の違い(結局は、これもポイントが見つけられなかっただけのことなのですが)を説明したりする。と、その脇から、「この単語の意味は?」とか、「この漢字の読みは?」とか聞いてくる「N2」の学生がいる。彼には、文章全部を読んでからまとめて聞けと言って、まずは「N1」の方を見る。

その間にも「『(初級)読み物』の『問』に、全部答えた」と持って来たので、見てみると、どうしてこういう答えになったのか判らないようなことが選ばれて書かれてある。選択問題の「○」「×」はうまくできていても、結局、大切な箇所を選ぶとなると、それは手に余る…のでしょうね。これも、接続詞に注意していれば、すぐに解けることなのですが。

で、彼女のクラス(4月からの「Bクラス」)は接続詞をどうにかさせておかねば大変なことになるということがよく判りました。

明日は、「N1」の学生が、「ゆっくり来たい」と言ったので、「どうぞ」と言ってやると、「初級」の彼女、すかさず「私も」と言う。「君は違うでしょ。まず、机について勉強する習慣をつけなくてはいけないのだから」。「N2」の学生、「日本人は、あまり勉強しない。私達は子供のころから、勉強ばかりしてきた」「していない人もたくさんいるでしょ。この学校のベトナム人も、勉強の習慣があまりなさそうな人が随分いる」。すると、「へへへへ」と苦笑い。

けれども、彼、ベトナムの歴史のこと、特に戦争のことをあまり知らないのです。見たことがない(映像で)といった方がいいのかもしれません。これは中国にしても同じでしょう。映画で「自分たちはすごいぞ」というのは、見せられて育ってきたようですが、そんなものだけですから、結局は知らないのです。もっとも、2人ともそれを認めるわけですから、まだまだいい方でしょう。思い込まされて、喚き散らされるよりもずっとまし。話そう、見せてやろうという気にもなれますから。

でも、ベトナムの学生、(見せようかと言っても)「興味がありません」。じゃあ、しょうがない。試験勉強をしていくしかない…。

日々是好日
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする