日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

菜種梅雨でしょうね。花は雨に促されて咲き、風に誘われて散っていく…か。

2019-03-04 14:34:05 | 日本語学校
小雨。

今日も雨。傘をささずともいいような、そんな雨が降っています。とはいえ、この雨を、「霧雨」と称すると、なんだか秋のような気分になってしまう…。では、どこか暖かげな響きのある、「小糠雨」呼べばいいかというと、春独特のぬめりまで出てしまい、それではちょっとということになってしまう。しかも、今朝は「余寒」(なんと言っても朝の気温から一日中上がらないそうですから)ですもの。これはちょっと…。

で、結局、「菜種梅雨」ということになってしまうのです。なんでも、この雨が、「サクラ(桜)」の花を呼び、春の様々な草木の開花を促すとか。雨に促されて花が咲き、風に誘われて花が散る…。よく出来たものです。

最近よく雨が降るようになった…。これも、季節の移ろいが感じられていいものです。冬は乾燥していたからでしょう、富士山がすっきりと見られていたのに、最近は、また遠く雲に隠れ、富士山は一体どちらの方向にあるのやら…なんて感じになっています。

季節に追われるように、いつの間にか、「弥生」になっています。子供のころ、年を取ると1日が長くなるというのを聞いたことがあったのですが、現代人には、「1日が長くなる」の必要条件は「年を取る」ではなく、「やりたいことがなくなった」なのかもしれません。

けれども、暇つぶし(これが「主」で、仕事は「従」だという人も増えているようなので、語弊があるかもしれませんが)の材料に事欠かないのが、現代社会。これも成立しないかもしれません。「ゲーム」は嫌いと言っていても、(ゲームの)種類が多いですから、根気さえあれば、どこかに相性のいいものが見つかるかもしれませんし、安価な旅行やサイクリング、美術館や博物館巡り、サークル活動…。いやいやシニアはドル箱と、暇にさせないようにする向きもあることですから、(暇を)託つ暇も無い…。

さて、学校です。

昨年の学生(七月生は一人だけで、あとは皆、四月生です)は、総体的に真面目で、よく勉強をします。

ネパール人が大半を占めるのですが、1年半から2年ほど前からの、私たちの「ブツクサ」がやっと功を奏し、目に見える形になったとホッとしたのも束の間。政策が変わったからでしょうか、急にビザが出なくなりました。現地に行って、あれだけ苦労してやっていたのに…。隣に急かされるほど、ついつい熱が入って、一人一人の面接が長くなるほどだったのです。

その前の、ベトナム人に慣れるのもちょいと時間がかかりましたが、ネパールはまたずっと遠く、彼等に関する本を読もうと思っても、なかなか書籍は見つからず(おそらくは研究書になるのでしょう)一般的な紹介というような本を数冊読んだきりで現地に行くということになりました。

もちろん、人を見るのに、国籍は関係ありません。ただ、その国の教育力、家庭での躾、宗教というものへ理解は必要になります。もとより、これも、触れ合う人が増えてくれば自ずからわかってくるものなのでしょう。が、そうは言いましても、初めて乗り込み、初めて面接をすると言う時には、慎重になります。やる気があっても、そばに日本語教師がいない(いても「N5レベル」)場合は、その学生の素質などを見ながら、考えなければなりませんし(彼等の私たちとの応答、…通訳を介しても、見える部分はあります)

そんなこんなを総合的に見なければなりません。これは決して勘とか直感とかいったものではないのです。経験からのものだと思います(失敗することあるのですが。その時は勘が狂ったと言い逃れをします。でも、次には活かすようにします)。ただ、知識がないと判断の基準がぶれてしまうこともあるのです。一昨年、来日した四月生も真面目で、いい人達が少なくはなかったのですが(それでも、現地での面接等で半数以上は遠慮してもらいました)、来日後、教えていく上で、少々戸惑い、手こずらされたこともありました。

まず、現地で日本語を教える上での問題です。「ひらがな」とは思われぬ字を書く人もいました。これは、個人の問題ではなく、教えている側の問題ということで遠慮してもらいました。先生を選べないと言われましたが、そのまま日本へ来ても、…やっていけるかというと、それは難しい。語学の上で才能があれば、それなりに出来るかもしれませんが、普通の人であれば、『みんなの日本語Ⅰ』を終えた人達の中に、「ひらがな」がまだの人、あるいは全くやり直さねばならぬ人が入っても、それは苦痛でしかないでしょう。

でも、変な言い方ですが、ご縁かもしれません。実際そうとしか思えないようなこともあるのです。…言ってしまってから、「そうか、縁か」などと考えています。不思議ですね。「回る、回る、糸車」ではないけれども。

日々是好日
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする