日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

通気のために窓を開けようと言い、そうする度に、冷たい視線に晒される…。

2018-09-27 08:03:53 | 日本語学校
小雨。

雨模様の日が続いています。「秋の長雨」とはよく言われるところではありますが、今年は、この言葉通りの年になってしまいました。そう、和歌に出てくるところの「秋の長雨」です。

平安朝の昔であれば、「みやびやなあ」で、終わっていたかもしれず…。もっとも、下々はそんな悠長なことなど言っていられなかったでしょうが。農作物も雨が続けば不作となるでしょうし…。まず、だいたい、道が歩けなくなる。泥はねもひどかったことでしょうし、荷物の運搬にしても、水たまりや穴ぼこに落ちてしまえば、そこから抜け出すだけでも一苦労だったことでしょう。

日本は、今、おおよそ、その不自由さからは解放されています。とはいえ、一つが解決すると、また新たな問題が噴出するというわけで、不満の塊たる人は、私たちの救世主であったものにまで、非難の矛先を向けてしまいます。

アスファルトの道路が熱を吸収してしまい、「夜になっても涼しくならない」とか、雨水が(アスファルトを)浸みていかないから、「少しでも雨量が増えると、すぐに水の都と化してしまう」とか、言われっぱなしの道が、思えば哀れ。それなりに、私たちは恩恵を被っているというのに、不満たらたらで、そんな道を見てしまう。

そんなこんなを思っても、だからこそ、人々の知恵は増し、科学は発達して来たのでしょうね。不自由を、そのままにしてはおかじと、ねじり鉢巻きで、工夫することによって。そうして、人々の生活は、より便利なものへと、より快適なものへと変化してきた…。。

昨今は、その被害から人々を救うために、水が浸みていくような道路、また熱を吸収しない道路などが、少しずつ実用化されているようですが、なにさま、まだ高い。普及するにはもっと時間がかかることでしょうね。

そう言えば、都市の緑化にしても、かつては「土」が問題であった。新しいビルの屋上ならよいけれど、古いビルはそれほどの重さに耐えられないので、土が入れられない。そういう問題の解決に、軽い土や浅くとも植物が育つ土などが開発されてきた。工夫は力なり。ただし、盲目的に飛びついてしまうと、原発の二の舞です。人々を苦しめることのない開発というのは無理なことなのでしょうか。開発は力であることをわかった上での、欲深い願いなのですが。

さて、学校です。

猛暑の夏が続くかと思いきや、昨日、今日と10月下旬、11月並みの寒さが続き、教室に入る時も大変です。

90分、締め切ったままの教室は、開けると、ドヨヨンンとした空気に満ちているようで、どうもいけません。で、入る時、「ちょっと、開けておいてもいいですか」と訊くと、たいてい「寒いです」という言葉が返ってくるのです。厳しい視線と共に。

そのたびに、「でもね、空気が悪いから」とか「通気のため」とか言って、開けてしまうのですが、どうもそう言った人の目はそれを許していないようで、そこに南国の人達との差を感じるのです。

このドヨヨンンとした空気を、ドヨヨンンではなくて、「暖かい」と感じてしまうのでしょう。その中にいれば、「脳は働きを止め、眠気が人を襲う…」とは、思い至らないようですね。心地よいと感じ、その中にどっぷり浸っていたいと言うふうに思ってしまうのでしょう。

「そうなる前に、窓を開け、空気を入れ換える。そして、シャキッとなって勉強を始める。そうしなければならぬ」という東アジア的考え方は、どうも、彼等には通用しないようです。唯一の味方が、この一年あまりで10キロ以上体重が増えたという男子学生だけなのですから、あまり説得力も無いようですしね。

日々是好日
コメント
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